基本問題434 斜面レールで静止するパイプ

傾斜レール上の導体棒のつりあい

直感的理解
斜面上のパイプは重力で下方に滑ろうとしますが、磁場中に電流を流すと電磁力が斜面に沿って上向きに働き、つりあいを保てます。斜面方向の力のつりあい $mg\sin\theta = BIL\cos\theta$ から電流を求めます。

(1) 磁場の向き:パイプに斜面上向きの力が必要 → フレミングの左手の法則で磁場の向きを決める。

(2) 斜面方向のつりあい:

磁場が鉛直なので、電磁力 $F = BIL$ は水平方向に働きます。斜面方向成分は $BIL\cos\theta$。

斜面方向の力のつりあい:

$$mg\sin\theta = BIL\cos\theta$$

$I$ について解くと:

$$I = \frac{mg\sin\theta}{BL\cos\theta} = \frac{mg\tan\theta}{BL}$$

例:$m = 0.20$ kg、$g = 9.8$ m/s²、$\theta = 30°$、$B = 1.5$ T、$L = 0.20$ m のとき

$$I = \frac{0.20 \times 9.8 \times \tan 30°}{1.5 \times 0.20} = \frac{0.20 \times 9.8 \times 0.577}{0.30} = \frac{1.13}{0.30} \fallingdotseq 3.8 \text{ A}$$
答え:
$$I = \frac{mg\tan\theta}{BL}$$
補足:電磁力の方向と成分分解

磁場が鉛直で電流が水平面内にあるとき、電磁力 $F = BIL$ は水平方向に働きます。この力の斜面方向成分が $BIL\cos\theta$、斜面垂直方向成分が $BIL\sin\theta$ です。斜面方向のつりあいのみで電流が決まります。

Point

磁場中の力のつりあい問題では、電磁力 $F = BIL$ を斜面方向と垂直方向に分解してつりあいの式を立てる。磁場が鉛直なら力は水平、磁場が水平なら力の向きはフレミングで判定。