設定:幅 $a$、高さ $b$ の長方形コイルが磁束密度 $B = 0.50$ T の一様な磁場領域を速さ $v = 6.0$ m/s で横切る。磁場領域の幅は $d$($d > a$)。コイルの抵抗は $R$。
(1) コイルの右辺が磁場に入る瞬間の誘導起電力:
右辺のみが磁場中を横切るとき、微小時間 $\Delta t$ でコイルを貫く磁束の変化は:
$$\Delta \Phi = B \cdot b \cdot v\Delta t$$ファラデーの電磁誘導の法則より、誘導起電力の大きさは:
$$V = \frac{\Delta \Phi}{\Delta t} = vBb$$(2) コイル全体が磁場内にあるとき:
コイルが完全に磁場内に入ると、コイルを貫く磁束は $\Phi = Bab$ で一定(変化しない)。したがって:
$$V = \frac{\Delta \Phi}{\Delta t} = 0$$(3) コイルが磁場から出始めるとき:
左辺が磁場内に残り、右辺が磁場から出る。磁場内の面積が減少するので磁束が減少し、(1) と同じ大きさの起電力が生じる:
$$V = vBb$$ただし、誘導電流の向きは (1) と逆になる(レンツの法則:磁束の減少を妨げる向き)。
(4) コイルの電力消費:
誘導起電力が生じているとき(進入時・退出時)、コイルに流れる電流は:
$$I = \frac{V}{R} = \frac{vBb}{R}$$よって消費電力は:
$$P = VI = \frac{(vBb)^2}{R}$$コイルを等速で引くために必要な外力は、進入時・退出時ともに:
$$F = BIb = \frac{B^2 b^2 v}{R}$$コイル全体が磁場内にあるときは電流が流れないので外力は不要です(摩擦無視の場合)。
長方形コイルが磁場を横切るとき、起電力は「進入時 +$vBb$」→「内部 $0$」→「退出時 $-vBb$」と変化する。起電力が生じるのは辺が磁場の境界を横切るときのみ。