設定:図のように、N 極が下になるよう磁石を金属板に近づけたり、金属板の上で動かしたりする。
(1) 磁石を金属板に近づけるとき:
金属板を貫く下向きの磁束が増加します。レンツの法則により、磁束の増加を妨げる向き(上向きの磁場を作る向き)に渦電流が流れます。
(2) 金属板の上を横に動かすとき:
磁石の前方では磁束が増加、後方では減少するため、前方と後方で逆向きの渦電流が流れ、磁石の運動を妨げる制動力が生じます。
渦電流は以下のような場面で利用されています:
一方、変圧器やモーターの鉄心では渦電流によるエネルギー損失を抑えるため、薄い鋼板を積層して使用します。
渦電流の発生起電力と制動力を具体例で求めます。幅 $L = 0.10$ m の金属板が磁束密度 $B = 0.50$ T の領域を速さ $v = 2.0$ m/s で横切る場合:
$$V = BLv = 0.50 \times 0.10 \times 2.0 = 0.10 \text{ V}$$板の実効的な抵抗を $R = 2.0 \times 10^{-3}$ Ω とすると、渦電流は
$$I = \frac{V}{R} = \frac{0.10}{2.0\times10^{-3}} = 50 \text{ A}$$磁石に働く制動力(レンツの法則による反作用)は
$$F = BIL = 0.50 \times 50 \times 0.10 = 2.5 \text{ N}$$この力が運動方向と逆に働くので「電磁ブレーキ」となります。
渦電流は金属内部に渦巻き状に流れる誘導電流。レンツの法則に従い、磁束変化を妨げる向きに流れるため、磁石の運動に対して制動力(ブレーキ)として働く。