基本例題91 交流のグラフ

コイルとコンデンサーの位相差

直感的理解
コイルは電流の変化を嫌う素子なので、電圧の変化に電流が遅れて追従します($\pi/2$ 遅れ)。一方、コンデンサーは電荷を溜めてから電圧が発生するので、電流が電圧より先に流れます($\pi/2$ 進み)。シミュレーションで3つの波形の位相関係を確認してください。

(1) コイルのリアクタンス $X_L$

図1, 2より $V_0 = 100$ V、$I_0 = 0.20$ A なので:

$$X_L = \frac{V_0}{I_0} = \frac{100}{0.20} = 5.0 \times 10^2 \text{ Ω}$$

(2) 自己インダクタンス $L$

図2より周期 $T = 0.50$ s なので周波数は:

$$f = \frac{1}{T} = \frac{1}{0.50} = 2.0 \text{ Hz}$$

$X_L = 2\pi f L$ より $L$ を求めると:

$$L = \frac{X_L}{2\pi f} = \frac{500}{2 \times 3.14 \times 2.0} = \frac{500}{12.56} \fallingdotseq 40 \text{ H}$$

(3) コンデンサーに加えた場合の電流

コンデンサーでは電流が電圧より $\dfrac{\pi}{2}$ 進みます。電流の最大値はコイルと同じとすると、波形は図 a の実線のようになります。

答え:
(1) $X_L = 5.0 \times 10^2$ $\Omega$
(2) $L \fallingdotseq 40$ H
(3) 電流は電圧より $\dfrac{\pi}{2}$ 進んだ波形(図 a の実線)
補足:コイルとコンデンサーの位相関係の覚え方

覚え方:「コイルは遅れ、コンデンサーは進み

  • コイル(L):$V = L\dfrac{dI}{dt}$ → $I$ が $V$ より $\dfrac{\pi}{2}$ 遅れる
  • コンデンサー(C):$I = C\dfrac{dV}{dt}$ → $I$ が $V$ より $\dfrac{\pi}{2}$ 進む

位相のずれはちょうど $\dfrac{\pi}{2}$(= 90°= 1/4 周期)です。

Point

リアクタンス $X = V_0/I_0 = V_e/I_e$。コイルは $X_L = \omega L$(電流遅れ)、コンデンサーは $X_C = 1/(\omega C)$(電流進み)。位相差はどちらも $\pi/2$。