応用問題496 光電効果

設問(1) 空欄ア〜オの式

直感的理解
光電効果では、光子のエネルギー $h\nu$ が仕事関数 $W$ を超えると光電子が飛び出します。陽極の電圧を下げていくと、ある逆電圧(阻止電圧 $V_0$)で電流が0になります。

ア:光子1個のエネルギー $E = h\nu = hc/\lambda$

イ:仕事関数 $W$(金属から電子を取り出す最小エネルギー)

ウ:限界振動数 $\nu_0$($\nu < \nu_0$ では光電子は出ない)

エ:光電効果の式 $K_0 = h\nu - W$

オ:$K_0 = eV_0$(阻止電圧との関係)

答え:
ア:$h\nu$ イ:$W$ ウ:$\nu_0$ エ:$K_0 = h\nu - W$ オ:$K_0 = eV_0$
Point

光電効果の基本3式:$E = h\nu$, $K_0 = h\nu - W$, $K_0 = eV_0$。

設問(3) 数値計算(空欄エ・オ)

直感的理解
1.0 mWの光に含まれる光子数から電流値を計算します。全ての光電子が陽極に到達すると仮定します。

光子1個のエネルギー:

$$E_1 = \frac{hc}{\lambda} = \frac{6.6 \times 10^{-34} \times 3.0 \times 10^8}{4.2 \times 10^{-7}} = 4.7 \times 10^{-19} \text{ J}$$

1秒間に到達する光子数($P = 1.0$ mW = $1.0 \times 10^{-3}$ W):

$$n = \frac{P}{E_1} = \frac{1.0 \times 10^{-3}}{4.7 \times 10^{-19}} \fallingdotseq 2.1 \times 10^{15}$$

$I = ne$ として:

$$I = 2.1 \times 10^{15} \times 1.6 \times 10^{-19} \fallingdotseq 3.4 \times 10^{-4} \text{ A}$$
答え:
$$\text{エ} = 2.1 \times 10^{15}, \quad \text{オ} = 3.4 \times 10^{-4} \text{ A}$$
Point

飽和電流 $I = ne$ で、$n$ は毎秒の光電子数 = 毎秒の光子数(量子効率100%の場合)。

設問(4) 赤色の光で光電流が流れない理由

直感的理解
赤色の光は波長が長い(振動数が低い)ので、光子1個のエネルギーが仕事関数より小さくなります。光の強度(光子の数)を増やしても1個あたりのエネルギーは変わりません。

赤色の光は紫色の光より波長が長く、1個の光子のエネルギー $h\nu = hc/\lambda$ が小さい。このエネルギーが金属の仕事関数 $W$ より小さい場合、いくら強い光を当てても光電子は飛び出さない。光電効果は光子1個と電子1個の相互作用であり、光の強度(光子の数)を増しても1個あたりのエネルギーは変わらないからである。

答え:
赤色の光は光子1個のエネルギーが仕事関数より小さいため、光の強度に関係なく光電子は放出されない。
補足:エネルギー保存と散逸

摩擦がある場合は力学的エネルギーの一部が熱エネルギーに変わりますが、全エネルギー(力学的+熱)は保存されます。

Point

光電効果は光子1個のエネルギーで決まる。光の強さ(個数)は無関係。これが波動説では説明できない点。