基本問題475 放電

設問(1) 管内に希薄な気体が残っているとき

直感的理解
放電管内の真空度を上げていくと、放電の様子が段階的に変わります。最初は気体全体が光る「気体放電」、さらに真空度を上げるとガラス壁が蛍光を発し、最終的に陰極から直進する「陰極線(電子線)」が観察されます。スライダーで気圧を変えてみましょう。

(1) 管内に希薄な気体が残っているとき:

管内の気体に特有な色の光を発する放電を真空放電(または気体放電)といいます。気体の種類によって特有の色を示します。

(2) ガラス壁が蛍光を発するとき:

さらに真空度を上げると、ガラス壁が蛍光を発します。蛍光の色は気体の種類ではなくガラスの種類によって異なります。

(3) 蛍光を発生させている粒子:

ガラス壁の蛍光は、陰極から飛び出す粒子がガラスに衝突して起こります。この粒子は電場や磁場によって進路が曲がり、電子であることがわかりました。この電子の流れを陰極線(電子線)といいます。

答え:
真空放電(気体放電)
答え:
蛍光の色はガラスの種類によって異なる
答え:
電子(陰極線・電子線)
補足:光電効果の歴史的意義

1905年にアインシュタインが光量子仮説を提唱。光のエネルギーが振動数に比例 $E = h\nu$ し、連続的ではなく量子化されていることを示しました。

具体的な数値での確認

陰極線管内で電子が電圧 $V = 2.0 \times 10^3$ V で加速されたときの運動エネルギーは

$$K = eV = 1.6 \times 10^{-19} \times 2.0 \times 10^3 = 3.2 \times 10^{-16} \text{ J}$$

電子の速さは $\frac{1}{2}m_e v^2 = K$ より

$$v = \sqrt{\frac{2K}{m_e}} = \sqrt{\frac{2 \times 3.2 \times 10^{-16}}{9.1 \times 10^{-31}}} \fallingdotseq 2.65 \times 10^7 \text{ m/s}$$

1秒間に流れる電子数を電流 $I = 1.0 \times 10^{-3}$ A から求めると

$$N = \frac{I}{e} = \frac{1.0 \times 10^{-3}}{1.6 \times 10^{-19}} \fallingdotseq 6.3 \times 10^{15} \text{ 個/s}$$

放電管の真空度が上がると電子の平均自由行程が長くなり、直進する陰極線となります。

Point

放電管の真空度を上げていくと:気体放電 → ガラス壁の蛍光 → 陰極線の観察、と段階的に変化する。陰極線の正体は電子である。