(1) 管内に希薄な気体が残っているとき:
管内の気体に特有な色の光を発する放電を真空放電(または気体放電)といいます。気体の種類によって特有の色を示します。
(2) ガラス壁が蛍光を発するとき:
さらに真空度を上げると、ガラス壁が蛍光を発します。蛍光の色は気体の種類ではなくガラスの種類によって異なります。
(3) 蛍光を発生させている粒子:
ガラス壁の蛍光は、陰極から飛び出す粒子がガラスに衝突して起こります。この粒子は電場や磁場によって進路が曲がり、電子であることがわかりました。この電子の流れを陰極線(電子線)といいます。
1905年にアインシュタインが光量子仮説を提唱。光のエネルギーが振動数に比例 $E = h\nu$ し、連続的ではなく量子化されていることを示しました。
陰極線管内で電子が電圧 $V = 2.0 \times 10^3$ V で加速されたときの運動エネルギーは
$$K = eV = 1.6 \times 10^{-19} \times 2.0 \times 10^3 = 3.2 \times 10^{-16} \text{ J}$$電子の速さは $\frac{1}{2}m_e v^2 = K$ より
$$v = \sqrt{\frac{2K}{m_e}} = \sqrt{\frac{2 \times 3.2 \times 10^{-16}}{9.1 \times 10^{-31}}} \fallingdotseq 2.65 \times 10^7 \text{ m/s}$$1秒間に流れる電子数を電流 $I = 1.0 \times 10^{-3}$ A から求めると
$$N = \frac{I}{e} = \frac{1.0 \times 10^{-3}}{1.6 \times 10^{-19}} \fallingdotseq 6.3 \times 10^{15} \text{ 個/s}$$放電管の真空度が上がると電子の平均自由行程が長くなり、直進する陰極線となります。
放電管の真空度を上げていくと:気体放電 → ガラス壁の蛍光 → 陰極線の観察、と段階的に変化する。陰極線の正体は電子である。