(1) 管内に希薄な気体が残っているとき、管内の気体に特有な色の光が出ます。
(2) 真空度を上げるとガラス壁が蛍光を発します。蛍光の色は気体ではなくガラスの種類によって異なります。
(3) ガラスに蛍光を発生させている粒子は、陰極から飛び出す電子です。
(4) 電子は陰極(−極)から陽極(+極)に向かって飛びます。すなわち電極 A, B のどちらが陰極かによりますが、電子は陰極から陽極へ向かいます。
J.J.トムソンは1897年、陰極線の電場・磁場中の偏向を精密に測定し、比電荷 $e/m$ を決定しました。陰極線の正体が気体の種類によらず同じ粒子(電子)であることを示し、「原子より小さい粒子」の存在を初めて実証しました。
加速電圧 $V = 5.0 \times 10^3$ V で電子を加速したときの電子の運動エネルギーは
$$K = eV = 1.6 \times 10^{-19} \times 5.0 \times 10^3 = 8.0 \times 10^{-16} \text{ J}$$電子の速さは
$$v = \sqrt{\frac{2K}{m_e}} = \sqrt{\frac{2 \times 8.0 \times 10^{-16}}{9.1 \times 10^{-31}}} \fallingdotseq 4.2 \times 10^7 \text{ m/s}$$陰極線のビーム電流 $I = 2.0 \times 10^{-4}$ A なら毎秒の電子数は
$$N = \frac{I}{e} = \frac{2.0 \times 10^{-4}}{1.6 \times 10^{-19}} \fallingdotseq 1.25 \times 10^{15} \text{ 個/s}$$真空度が下がると電子が気体分子と衝突して発光(気体放電)し、真空度を上げていくと直進性が増します。
放電管の真空度による変化:気体放電 → ガラス蛍光 → 陰極線。陰極線の正体は電子で、陰極から陽極に向かって飛ぶ。