ベクトルの差 \(\vec{a}-\vec{b}\) は「\(\vec{b}\) の先端から \(\vec{a}\) の先端へ向かう矢印」と考える。または \(\vec{a}+(-\vec{b})\) として、\(\vec{b}\) を逆向きにしてから足す。
成分ごとの減法で求める。
\(\vec{a}=(a_x,\;a_y)\),\(\vec{b}=(b_x,\;b_y)\) のとき:
$$ \vec{a}-\vec{b} = (a_x - b_x,\; a_y - b_y) $$数値を代入する:
$$ \vec{a}-\vec{b} = (4-1,\; 1-3) $$ $$ = (3,\; -2) $$y 成分が負なので、差のベクトルは右下方向を向く。
差の大きさを求める:
$$ |\vec{a}-\vec{b}| = \sqrt{3^2 + (-2)^2} = \sqrt{9 + 4} = \sqrt{13} \fallingdotseq 3.61 $$始点をそろえて \(\vec{a}\),\(\vec{b}\) を描くと、\(\vec{a}-\vec{b}\) は \(\vec{b}\) の矢じりから \(\vec{a}\) の矢じりへ向かうベクトルになる。
これは \(\vec{b} + (\vec{a}-\vec{b}) = \vec{a}\) という関係から来ている。つまり「\(\vec{b}\) に何を足せば \(\vec{a}\) になるか?」の答えが \(\vec{a}-\vec{b}\) である。
\(\vec{a}-\vec{b} = \vec{a}+(-\vec{b})\) と変形する。
$$ -\vec{b} = -(1,\;3) = (-1,\;-3) $$ $$ \vec{a}+(-\vec{b}) = (4+(-1),\; 1+(-3)) = (3,\; -2) $$和の公式に帰着させる方法。差の作図でも使える。
物理での応用例:速度 \(\vec{v}_1 = (4.0,\; 1.0)\) m/s から \(\vec{v}_2 = (1.0,\; 3.0)\) m/s への速度変化は
$$ \Delta\vec{v} = \vec{v}_1 - \vec{v}_2 = (4.0 - 1.0,\; 1.0 - 3.0) = (3.0,\; -2.0) \;\text{m/s} $$変化量の大きさは \(|\Delta\vec{v}| = \sqrt{3.0^2 + (-2.0)^2} = \sqrt{13} \fallingdotseq 3.61\) m/s。質量 2.0 kg の物体に 0.50 s 間で生じた速度変化なら、平均の力は \(F = m|\Delta\vec{v}|/\Delta t = 2.0 \times 3.61 / 0.50 \fallingdotseq 14.4\) N。
ベクトルの差は成分ごとに引く。図では「\(\vec{b}\) の先端から \(\vec{a}\) の先端へ」の矢印が差になる。
設問(1)とベクトルを入れ替えた問題。差の順序を変えると向きが逆になる(\(\vec{a}-\vec{b}\) と \(\vec{b}-\vec{a}\) は逆向き)。
成分ごとに引く:
$$ \vec{a}-\vec{b} = (1-3,\; 3-1) $$ $$ = (-2,\; 2) $$比較:もし \(\vec{b}-\vec{a}\) なら
$$ \vec{b}-\vec{a} = (3-1,\; 1-3) = (2,\; -2) $$確かに \(\vec{a}-\vec{b} = -(\vec{b}-\vec{a})\) で、向きが逆(符号が反転)。
差の大きさを求める:
$$ |\vec{a}-\vec{b}| = \sqrt{(-2)^2 + 2^2} = \sqrt{4 + 4} = \sqrt{8} = 2\sqrt{2} \fallingdotseq 2.83 $$逆順 \(|\vec{b}-\vec{a}| = \sqrt{2^2+(-2)^2} = 2\sqrt{2}\) と一致する。向きは逆だが大きさは同じ。
物理では「速度の変化量 \(\Delta\vec{v} = \vec{v}_2 - \vec{v}_1\)」のように差を使う場面が多い。引く順序を間違えると向きが逆転するので注意。
「後 \(-\) 前」が変化量の約束:\(\Delta\vec{v} = \vec{v}_{\text{後}} - \vec{v}_{\text{前}}\)
\(\vec{a}-\vec{b}\) と \(\vec{b}-\vec{a}\) は大きさは同じだが向きが逆。物理で差を使うときは「どちらからどちらを引くか」に注意。