例題14 力の合成

設問(1) 合力の作図

直感的理解
2つの力を1つにまとめたものが「合力」です。図形的には平行四辺形の対角線が合力ベクトルになります。上のシミュレーションで矢印をドラッグすると、平行四辺形の形が変わり、合力がどう変化するかを直感的に理解できます。

作図方法:$\vec{F_1}$ と $\vec{F_2}$ を隣り合う2辺とする平行四辺形を作り、原点から対角線を引くと合力 $\vec{F_1} + \vec{F_2}$ が得られます。

図から読み取ると:

答え:
上図参照。$\vec{F_1}$ と $\vec{F_2}$ を2辺とする平行四辺形の対角線が合力。
Point

力の合成平行四辺形の法則に従う。2力を隣り合う辺とする平行四辺形の対角線が合力になる。

設問(2) 合力の $x$ 成分、$y$ 成分

直感的理解
合力の成分は、各力の同じ方向の成分をそれぞれ足すだけ。$x$ 方向は $x$ 方向同士、$y$ 方向は $y$ 方向同士で独立に計算できます。

立式:合力の成分は各力の成分の和です。

図から $\vec{F_1}$ と $\vec{F_2}$ の成分を読み取ると:

$x$ 成分の和:

$y$ 成分の和:

答え:
$$x \text{ 成分} : 6 \text{ N}, \quad y \text{ 成分} : 8 \text{ N}$$
Point

合力の成分 = 各力の成分の和。$F_x = F_{1x} + F_{2x}$、$F_y = F_{1y} + F_{2y}$ で求まる。

設問(3) 合力の大きさ $F$

直感的理解
合力の大きさは三平方の定理(ピタゴラスの定理)で求めます。$x$ 成分と $y$ 成分を直角の2辺、合力を斜辺とする直角三角形を考えれば良いのです。

立式:三平方の定理を使います。

計算:

答え:
$$F = 10 \text{ N}$$
補足:3:4:5の直角三角形

$F_x = 6$, $F_y = 8$ は $3:4:5$ の直角三角形($\times 2$)に対応しています。このような特殊な比を覚えておくと計算が速くなります。

  • $3:4:5$($6:8:10$, $9:12:15$, ...)
  • $5:12:13$
  • $1:1:\sqrt{2}$(45度)
  • $1:\sqrt{3}:2$(30-60度)
Point

合力の大きさ $F = \sqrt{F_x^2 + F_y^2}$(三平方の定理)。成分が求まれば、大きさは自動的に計算できる。

具体的な数値で確認

2力の合成で合力の大きさが 10 N、x成分 6 N、y成分 8 N になる例を計算する。

x成分とy成分から合力の大きさ:

$$ F = \sqrt{F_x^2 + F_y^2} = \sqrt{6^2 + 8^2} = \sqrt{36 + 64} = \sqrt{100} = 10 \text{ N} $$

合力の向き(x軸正方向を 0° とした角度 \(\theta\)):

$$ \tan\theta = \frac{F_y}{F_x} = \frac{8}{6} \fallingdotseq 1.33 $$ $$ \theta = \arctan(1.33) \fallingdotseq 53° $$

確認:(3,4,5) の直角三角形を 2 倍した (6,8,10) の関係になっていることがわかる。よく使われる典型値なので覚えておくとよい。

逆に、合力 \(F = 10\) N が x軸と \(\theta = 53°\) の角をなすときの成分は:

$$ F_x = F\cos\theta = 10 \times 0.6 = 6 \text{ N},\quad F_y = F\sin\theta = 10 \times 0.8 = 8 \text{ N} $$