編末問題75 浮力

設問(1) 鉄球の体積

直感的理解
密度は「単位体積あたりの質量」なので、体積 = 質量 / 密度 で求まります。鉄は密度が大きいので、同じ質量でも体積は小さくなります。

密度の定義 $\rho = m/V$ より:

答え:
$$V = \frac{m}{\rho}\,[\text{m}^3]$$
Point

$\rho = m/V$、$V = m/\rho$、$m = \rho V$。密度・質量・体積の関係は3つの変形を使い分ける。

設問(2) 浮力

直感的理解
浮力はアルキメデスの原理により「排除した液体の重力」に等しいです。球が排除する水の体積は球の体積 $V = m/\rho$ と同じ。したがって浮力は $\rho_0 V g = \rho_0 m g / \rho$ です。

アルキメデスの原理:

答え:
$$F_b = \frac{\rho_0 mg}{\rho}\,[\text{N}]$$
Point

浮力 $F_b = \rho_{\text{液}} V g$。体積を密度で表すと $F_b = (\rho_0/\rho) mg$。物体と液体の密度比が浮力の大きさを決める。

設問(3) 糸の張力

直感的理解
水中で静止している鉄球には、上向きに張力と浮力、下向きに重力がはたらきます。$T = mg - F_b$ で張力が求まります。密度比 $\rho_0/\rho$ が小さいほど(物体が重いほど)張力は大きくなります。スライダーで密度を変えると張力の変化がわかります。

力のつりあい:

答え:
$$T = \left(1 - \frac{\rho_0}{\rho}\right)mg\,[\text{N}]$$
補足:物理的な意味

$\rho_0 / \rho$ は物体の密度に対する液体の密度の比です。

  • $\rho_0 / \rho \to 0$(液体が非常に軽い)→ $T \to mg$(浮力ほぼゼロ、空気中と同じ)
  • $\rho_0 / \rho = 1$(液体と同じ密度)→ $T = 0$(浮力だけで支えられる)
  • $\rho_0 / \rho > 1$(液体のほうが重い)→ $T < 0$(物体は浮き上がろうとする → 糸を下に引く必要あり)
Point

水中での張力は $T = (1 - \rho_0/\rho)mg$。浮力の分だけ張力が軽減される。$\rho > \rho_0$ なら沈む($T > 0$)、$\rho = \rho_0$ なら浮遊($T = 0$)。