例題24 仕事と運動エネルギー

設問(1) 摩擦力がする仕事

直感的理解
物体が止まるということは、運動エネルギーがすべて摩擦で失われたということです。つまり、摩擦力がした仕事 = 運動エネルギーの変化量。初めに持っていた運動エネルギーがそのまま摩擦による負の仕事に変わります。

方針:仕事と運動エネルギーの関係 \(\frac{1}{2}mv^2 - \frac{1}{2}mv_0^2 = W\) を使う。

物体は最終的に止まるので \(v = 0\):

答え:
$$W = -50 \text{ J}$$
Point

仕事と運動エネルギーの関係:物体にされた仕事の合計 = 運動エネルギーの変化量。\(W = \frac{1}{2}mv^2 - \frac{1}{2}mv_0^2\)。摩擦力は運動方向と逆向きなので仕事は負。

設問(2) すべる距離

直感的理解
摩擦力がする仕事 \(W = -Fx\) は (1) で求めた値 \(-50\) J に等しい。摩擦力 \(F\) の大きさが分かれば、\(x = -W/F\) で距離が出ます。

摩擦力の大きさ:

$$F = \mu' mg = 0.20 \times 4.0 \times 9.8 = 7.84 \text{ N}$$

仕事の式から距離を求める:

摩擦力の向きは移動方向と逆なので \(W = -Fx\)。よって:

$$x = \frac{-W}{F} = \frac{-(-50)}{7.84} = \frac{50}{7.84} = 6.37\cdots \fallingdotseq 6.4 \text{ m}$$
答え:
$$x \fallingdotseq 6.4 \text{ m}$$
別解:運動方程式から求める方法

等加速度直線運動の公式 \(v^2 - v_0^2 = 2ax\) を使うこともできます。

加速度:\(a = -\mu' g = -0.20 \times 9.8 = -1.96\) m/s\(^2\)

$$0^2 - 5.0^2 = 2 \times (-1.96) \times x$$ $$x = \frac{25}{3.92} = 6.37\cdots \fallingdotseq 6.4 \text{ m}$$
Point

仕事の式 \(W = -Fx\) から距離を逆算できる。エネルギーの方法は、力の大きさと方向さえ分かれば加速度を経由せずに距離が求まる便利な手法。