Step 1:斜面に沿って引き上げる仕事(摩擦なし)
ゆっくり引き上げるので加速度は 0、力のつりあいが成り立ちます。斜面に沿った引く力は \(F = mg\sin 30°\) です。斜面に沿った距離 \(d = 10\) m を移動させるので:
$$ W_1 = F \times d = mg\sin 30° \times d = 250 \times 9.8 \times 0.50 \times 10 $$ $$ W_1 = 1225 \times 10 = 1.2 \times 10^4\;\text{J} $$Step 2:鉛直に引き上げる仕事
斜面の高さは \(h = d\sin 30° = 10 \times 0.50 = 5.0\) m です。鉛直に持ち上げるには重力に逆らう力 \(mg\) で高さ \(h\) だけ持ち上げるので:
$$ W_2 = mgh = 250 \times 9.8 \times 5.0 = 1.2 \times 10^4\;\text{J} $$\(W_1 = W_2\) となり、仕事の原理が成り立っています。
Step 3:摩擦がある場合の仕事
動摩擦力 \(f = 22\) N が斜面に沿って逆向きにはたらくので、引く力は \(F' = mg\sin 30° + f\) になります。必要な仕事は:
$$ W' = (mg\sin 30° + f) \times d = (1225 + 22) \times 10 = 1.2 \times 10^4\;\text{J} $$(有効数字2桁の範囲では摩擦力の寄与 220 J は小さいため、値がほぼ変わりません。厳密には \(W' = 12470\) J。)
なめらかな斜面を使う場合、力は小さくなりますが移動距離が長くなるため、仕事は変わりません。これが「仕事の原理」です。具体的に確認すると:
$$ W_1 = mg\sin\theta \times \frac{h}{\sin\theta} = mgh = W_2 $$しかし摩擦がある場合は、摩擦力がする負の仕事の分だけ、余計に仕事をしなければなりません。
仕事の原理:なめらかな斜面を使って持ち上げても、重力に逆らう仕事 \(W = mgh\) は変わらない。摩擦がある場合は摩擦力の仕事 \(F_{摩擦} \times d\) が上乗せされる。