編末問題92 比熱と熱容量

解説

直感的理解
同じ温度上昇でも、必要な熱量は物質の比熱と質量の積(=熱容量)に比例します。水は比熱が特に大きいので、温めるのに多くの熱が必要です。逆に同じ熱量を与えると、熱容量が小さい物質ほど温度が大きく上がります。

(1) 必要熱量の計算

温度を \(\Delta T = 10\) K 上昇させるのに必要な熱量は \(Q = mc\Delta T\) で求めます:

$$ Q_{\text{水}} = 100 \times 4.2 \times 10 = 4200\;\text{J} $$ $$ Q_{\text{銅}} = 200 \times 0.38 \times 10 = 760\;\text{J} $$ $$ Q_{\text{アルミ}} = 150 \times 0.90 \times 10 = 1350\;\text{J} $$ $$ Q_{\text{砂}} = 120 \times 0.80 \times 10 = 960\;\text{J} $$

(2) 同じ熱量での温度上昇

同じ熱量 \(Q\) を与えたときの温度上昇は:

$$ \Delta T = \frac{Q}{mc} $$

よって熱容量 \(C = mc\) が最も小さい物質が最も温度上昇が大きくなります。各物質の熱容量を比較すると:

銅の熱容量が最小なので、同じ熱量を加えたときが最も温度上昇が大きくなります。

答え:
(1) 水 4200 J、銅 760 J、アルミ 1350 J、砂 960 J
(2) 銅(熱容量が最小のため温度上昇が最大)
補足:熱容量の大きさの意味

熱容量が大きい物体は「温まりにくく冷めにくい」性質を持ちます。水の熱容量が大きいことは、海洋が気候を安定させる効果(比熱が大きいので温度変化が緩やか)にも関係しています。

Point

熱容量 \(C = mc\) が小さい物体ほど少ない熱で大きく温度が変わる。同じ熱量を与えたとき \(\Delta T = Q/C\) で、\(C\) が最小のものが最も温度上昇が大きい。