例題27 熱量の保存

解説

直感的理解
熱量の保存とは「高温物体が失った熱量 = 低温物体が得た熱量」ということです。温度の異なる物体を接触させると、やがて同じ温度(熱平衡)に達します。容器自身も熱を吸収・放出するので、熱容量 \(C\) を考慮する必要があります。

Step 1:(1) 容器の熱容量 \(C\) を求める

47 ℃ の水 60 g を、27 ℃ の水 110 g が入った容器に加え、混合温度が 33 ℃ になりました。熱量保存の式(失った = 得た)を立てます:

$$ m_{\text{高}}c(T_{\text{高}} - T_{\text{eq}}) = (m_{\text{低}}c + C)(T_{\text{eq}} - T_{\text{低}}) $$

数値を代入すると:

$$ 60 \times 4.2 \times (47 - 33) = (110 \times 4.2 + C)(33 - 27) $$ $$ 3528 = (462 + C) \times 6 $$

\(C\) について解きます:

$$ 462 + C = \frac{3528}{6} = 588 \quad \Longrightarrow \quad C = 588 - 462 = 126\;\text{J/K} $$

Step 2:(2) 金属の比熱 \(c'\) を求める

(1) の後、水は \(110 + 60 = 170\) g、温度 33 ℃ の状態です。ここに 100 ℃ の金属 130 g を入れて 37 ℃ になりました:

$$ m_{\text{金属}}c'(100 - 37) = (m_{\text{水}}c + C)(37 - 33) $$ $$ 130 \times c' \times 63 = (170 \times 4.2 + 126) \times 4 $$ $$ 8190\,c' = (714 + 126) \times 4 = 840 \times 4 = 3360 $$ $$ c' = \frac{3360}{8190} \fallingdotseq 0.41\;\text{J/(g·K)} $$
答え:
(1) \(C = 126\) J/K
(2) \(c = 0.41\) J/(g·K)
補足:熱量保存の式の立て方

「失った = 得た」の形で立式するのが最も間違いにくい方法です。温度差は必ず「高い温度 − 低い温度」としましょう。

容器の熱容量 \(C\) [J/K] は「温度を 1 K 上げるのに必要な熱量」であり、\(Q = C \Delta T\) で計算します。一方、比熱 \(c\) [J/(g·K)] は「1 g の物質の温度を 1 K 上げる熱量」で、\(Q = mc\Delta T\) です。

Point

熱量の保存:高温物体が失う熱量 = 低温物体が得る熱量。容器の熱容量を忘れずに含め、\(Q = mc\Delta T\)(比熱の場合)または \(Q = C\Delta T\)(熱容量の場合)で立式する。