教科書(物理) 問9:三角形の板の重心

解法

直感的理解

三角形のダンボールを指一本で支えるなら、3つの頂点から対辺の中点へ向かう線の交わる点が支点です。この点は各中線を頂点側から 2:1 に分ける位置にあり、三角形のどんな形でもこの関係が成り立ちます。

Step 1:座標を設定する

三角形の3頂点を \(A(x_1, y_1)\)、\(B(x_2, y_2)\)、\(C(x_3, y_3)\) とします。

Step 2:微小短冊による重心の導出

辺 AB に平行な微小短冊で三角形を分割すると、各短冊の重心はその短冊の中点にあります。これらの中点を結ぶと、頂点 C から辺 AB の中点 \(M_{AB}\) への中線になります。つまり全体の重心はこの中線上にあります。

同様に辺 BC に平行に分割すれば、重心は頂点 A から \(M_{BC}\) への中線上にもあります。よって重心は中線の交点です。

Step 3:重心の座標

3つの中線の交点(重心 G)の座標は:

$$G = \left(\frac{x_1 + x_2 + x_3}{3},\; \frac{y_1 + y_2 + y_3}{3}\right)$$

Step 4:内分比の確認

頂点 C から中線上を辿ると、重心 G は中線を頂点側から \(2:1\) に内分します:

$$CG : GM_{AB} = 2 : 1$$

具体例として \(A(0,0)\), \(B(6,0)\), \(C(2,4)\) なら:

$$G = \left(\frac{0+6+2}{3},\; \frac{0+0+4}{3}\right) = \left(\frac{8}{3},\; \frac{4}{3}\right) \fallingdotseq (2.67,\; 1.33)$$

検算:A(0,0), B(6,0), C(2,4) で辺の長さは AB = 6.0 cm, AC = √20 ≒ 4.47 cm。重心 G = (8/3, 4/3) ≒ (2.67, 1.33)。CG = 4.12 × 2/3 ≒ 2.75 cm, GM = 4.12 × 1/3 ≒ 1.37 cm で比 2:1 を確認。

答え
一様な三角形の板の重心は、各中線(頂点と対辺の中点を結ぶ線分)の交点にあり、各中線を頂点側から \(2:1\) に内分する。
別解:積分による証明

三角形の面積を \(S\) とし、面積密度を \(\sigma\) とすると、x 方向の重心は:

$$\bar{x} = \frac{1}{S}\iint_{\triangle} x \, dA$$

底辺を \(y = 0\)(A から B)として積分を実行すると、結果は:

$$\bar{x} = \frac{x_1 + x_2 + x_3}{3}$$

y 方向も同様に \(\bar{y} = (y_1 + y_2 + y_3)/3\) となり、中線の交点公式と一致します。

Point

一様な三角形の重心は 3頂点の座標の平均。これは中線の交点であり、各中線を頂点側から 2:1 に内分する点です。図の頂点をドラッグして、どんな三角形でも比が 2:1 になることを確かめましょう。