斜めの衝突では、床がなめらかなので水平方向の速度は変わらない。垂直方向だけ \(e\) 倍に弱まるため、入射角より浅い角度ではねかえる。ビリヤードのクッション反射と同じ原理。
Step 1:速度を成分に分解
衝突直前の小球の速さを \(v\) とすると、水平面と \(60°\) の角で入射するから:
$$ v_x = v\cos 60° = \frac{v}{2}, \quad v_y = v\sin 60° = \frac{\sqrt{3}}{2}v $$Step 2:衝突後の速度成分
床はなめらかなので水平成分は不変、垂直成分に反発係数 \(e = \dfrac{1}{\sqrt{3}}\) を適用:
$$ v_x' = v_x = \frac{v}{2} $$ $$ v_y' = e \cdot v_y = \frac{1}{\sqrt{3}} \times \frac{\sqrt{3}}{2}v = \frac{v}{2} $$Step 3:はねかえり角 \(\theta\) を求める
$$ \tan\theta = \frac{v_y'}{v_x'} = \frac{v/2}{v/2} = 1 $$ $$ \therefore\ \theta = 45° $$数値計算の確認:質量 0.50 kg の物体が速度 4.0 m/s で運動するとき、運動量は \(0.50 \times 4.0 = 2.0\) kg·m/s。力 100 N が 0.020 s 間作用すると力積は \(100 \times 0.020 = 2.0\) N·s です。
\(e < 1\) のとき、垂直成分 \(v_y\) だけが小さくなり水平成分 \(v_x\) は不変。よって
$$ \tan\theta' = \frac{ev_y}{v_x} = e\tan\alpha $$(\(\alpha\) は入射角)。\(e < 1\) なら \(\theta' < \alpha\) で、はねかえり角は入射角より必ず小さくなる。
斜め衝突のポイント:(1) 速度を床に平行・垂直に分解、(2) 平行成分は保存、(3) 垂直成分に \(e\) を適用。\(e < 1\) なら垂直成分が小さくなるので、はねかえり角は入射角より必ず小さくなる。