教科書(物理) 問b:運動量保存則の基本

解法

直感的理解

2つの物体が衝突するとき、A→B の力と B→A の力は作用反作用で大きさが等しく逆向き。だから「A が失った運動量 = B が得た運動量」となり、合計は変わりません。

Step 1:作用反作用の法則を適用

衝突中、AがBに及ぼす力を \(\vec{F}\)、BがAに及ぼす力を \(-\vec{F}\)(作用反作用)とすると:

$$ \text{Aの運動量変化:} \Delta \vec{p}_A = -\vec{F}\Delta t $$ $$ \text{Bの運動量変化:} \Delta \vec{p}_B = +\vec{F}\Delta t $$

Step 2:全運動量の変化を計算

$$ \Delta \vec{p}_A + \Delta \vec{p}_B = -\vec{F}\Delta t + \vec{F}\Delta t = \vec{0} $$

Step 3:結論

全運動量の変化がゼロなので:

$$ m_1 \vec{v_1} + m_2 \vec{v_2} = m_1 \vec{v_1'} + m_2 \vec{v_2'} $$

数値計算の確認:質量 0.50 kg の物体が速度 4.0 m/s で運動するとき、運動量は \(0.50 \times 4.0 = 2.0\) kg·m/s。力 100 N が 0.020 s 間作用すると力積は \(100 \times 0.020 = 2.0\) N·s です。

答え
物体系に外力が働かないとき、全運動量は保存される。 $$ \vec{p}_{\text{全体}} = \text{一定} $$
🔍 補足:外力がある場合の近似

衝突の瞬間、接触時間 \(\Delta t\) は非常に短い。重力などの外力の力積 \(mg \cdot \Delta t\) は衝突力の力積に比べて無視できる。したがって衝突・分裂の瞬間は運動量が実質保存される。

Point

運動量保存の鍵は外力の有無。内力は作用反作用で必ず打ち消し合う。衝突・分裂の瞬間は接触時間が極めて短いため、重力などの外力の影響は無視でき、運動量は実質的に保存される。