教科書(物理) 演習問題3:物体の分裂(大砲の反動)

解法

直感的理解
大砲を撃つと砲身が後ろに下がります。砲弾が前に飛ぶ運動量と、砲身が後ろに下がる運動量の合計が 0 になります。砲弾が「砲身に対して」4.0 m/s で飛び出す場合、砲身も動いているので地面基準の速さは異なります。

砲身の質量 \(M\) kg、砲弾の質量 \(m\) kg。砲弾は砲身に対して速さ \(v_{\text{rel}} = 4.0\) m/s で発射される。砲身の後退速度を \(V\)(正の向きを砲弾の発射方向)とする。

地面基準での砲弾の速度:

砲弾の速度は砲身に対して \(v_{\text{rel}}\) なので、地面基準では

$$ v = v_{\text{rel}} - V = 4.0 - V $$

(砲身が \(-V\) で後退するので、砲弾は \(v_{\text{rel}} - V\))

運動量保存則(全体が静止していたので):

$$ 0 = M(-V) + m(v_{\text{rel}} - V) $$ $$ MV = m(v_{\text{rel}} - V) $$ $$ V = \frac{m \cdot v_{\text{rel}}}{M + m} $$
答え
砲身の速さ \(V = 0.40\) m/s(後退方向)
地面に対する砲弾の速さ \(v = v_{\text{rel}} - V = 4.0 - 0.40 = 3.6\) m/s
補足:相対速度と地面基準の変換

「砲身に対する速さ」と「地面に対する速さ」の区別が重要。砲身が後退速度 \(V\) で動いているので、砲弾の地面基準の速さは \(v_{\text{rel}} - V\)(ガリレイ変換)。

Point

「〇〇に対する速さ」は相対速度。運動量保存則は地面(慣性系)基準で立てる。相対速度から地面基準への変換を忘れずに。