教科書(物理) 類題11:反発係数②(床との斜めの衝突)

解法

直感的理解

なめらかな床では横方向の力が働かないので、水平速度はそのまま。垂直速度だけが \(e\) 倍に減少します。すると入射角より浅い角度で跳ね返る(\(e < 1\) のとき)。

水平でなめらかな床に、小球が床面となす角 60° の方向から速さ \(v\) で衝突。反発係数 \(e = \dfrac{1}{\sqrt{3}}\) のとき、跳ね返り角度 \(\theta\) を求める。

速度を成分に分解:

衝突後:

跳ね返り角度:

$$ \tan\theta = \frac{v_y'}{v_x'} = \frac{v/2}{v/2} = 1 \quad \therefore \theta = 45° $$

数値例:質量 0.50 kg のボールが速さ 20 m/s で飛んできて跳ね返る場合、運動量変化は \(\Delta p = 0.50 \times 20 - 0.50 \times (-20) = 10 + 10 = 20\) kg·m/s。接触時間が 0.010 s なら平均の力は \(F = 20/0.010 = 2000\) N です。

関連する基本公式:

$$ \vec{p} = m\vec{v} $$ $$ \vec{F}\Delta t = m\vec{v}\prime - m\vec{v} $$
答え
反発係数 \(e = \dfrac{1}{\sqrt{3}}\)、跳ね返り角度 \(\theta = 45°\)
📐 補足:運動量保存則の導出

2物体が内力のみでやりとりする場合、作用・反作用の法則から \(\vec{F}_{12} = -\vec{F}_{21}\) が成り立ちます。両辺に \(\Delta t\) をかけると力積が等しく逆向きになり、全運動量が保存されます。

Point

床との斜め衝突では平行成分は保存、垂直成分のみ \(e\) 倍。\(e < 1\) なら入射角より浅く(床に沿うように)跳ね返る。