教科書(物理) 類題9:物体の分裂

解法

直感的理解
ロケットがガスを後方に噴射すると、ガスの「後ろ向きの運動量」と同じ大きさの「前向きの運動量」をロケット本体が得ます。これが作用反作用の法則の帰結であり、運動量保存そのものです。

分裂前:全体が静止しているので全運動量は 0。

ロケットの質量を \(M\)〔kg〕、燃焼ガスの質量を \(m\)〔kg〕、ガスの噴射速度を \(v\)〔m/s〕(ロケットに対する相対速度ではなく地面基準)とする。ロケットの速さを \(V\) とすると、

運動量保存則:

$$ 0 = MV + m(-v) $$ $$ V = \frac{m}{M} v $$

質量比に応じてガスの速さが分配されます。ガスが軽いほど速く噴射される必要があり、ロケットが重いほど加速は小さくなります。

数値例:質量 0.50 kg のボールが速さ 20 m/s で飛んできて跳ね返る場合、運動量変化は \(\Delta p = 0.50 \times 20 - 0.50 \times (-20) = 10 + 10 = 20\) kg·m/s。接触時間が 0.010 s なら平均の力は \(F = 20/0.010 = 2000\) N です。

関連する基本公式:

$$ \vec{p} = m\vec{v} $$
答え
ロケットの速さ \(V = \dfrac{m}{M} v = 2.0\) m/s
📐 補足:運動量保存則の導出

2物体が内力のみでやりとりする場合、作用・反作用の法則から \(\vec{F}_{12} = -\vec{F}_{21}\) が成り立ちます。両辺に \(\Delta t\) をかけると力積が等しく逆向きになり、全運動量が保存されます。

Point

分裂は衝突の逆過程。分裂前の運動量が 0 なら、分裂後も各部分の運動量の和は 0。向きが逆で大きさが等しい運動量を持つ。