教科書(物理) 例題12:円錐振り子

解法

直感的理解

円錐振り子の周期は単振り子 \(T = 2\pi\sqrt{l/g}\) に \(\sqrt{\cos\theta}\) がかかる。\(\theta\) が大きい(糸が水平に近い)ほど \(\cos\theta\) が小さくなり、周期が短くなる。つまり大きく回すほど速く回る。\(\theta \to 0\) では単振り子の周期に一致する。

長さ \(l\) の軽い糸の上端を固定し、下端に質量 \(m\) の小球をつけて水平面内で等速円運動させる(円錐振り子)。糸が鉛直方向となす角を \(\theta\) とする。

Step 1:力の分解と運動方程式

小球にはたらく力は重力 \(mg\) と糸の張力 \(S\)。円運動の半径は \(r = l\sin\theta\)。

Step 2:張力 \(S\)

②より

Step 3:角速度 \(\omega\)

①に \(S\) と \(r = l\sin\theta\) を代入:

Step 4:周期 \(T\)

数値計算の確認:質量 2.0 kg の物体が速度 3.0 m/s で運動するとき、運動エネルギーは \(\frac{1}{2} \times 2.0 \times 3.0^2 = 9.0\) J。高さ 5.0 cm = 0.050 m から落とすと速さは \(v = \sqrt{2 \times 9.8 \times 0.050} = 0.99\) m/s です。

答え
$$ S = \frac{mg}{\cos\theta}, \quad \omega = \sqrt{\frac{g}{l\cos\theta}}, \quad T = 2\pi\sqrt{\frac{l\cos\theta}{g}} $$
別解:通りの力を用いた導出

①÷② で張力 \(S\) を消去すると直接

$$ \tan\theta = \frac{r\omega^2}{g} = \frac{l\sin\theta\,\omega^2}{g} $$ $$ \omega^2 = \frac{g\tan\theta}{l\sin\theta} = \frac{g}{l\cos\theta} $$

同じ結果が得られる。

Point

円錐振り子の解法は「水平方向 = 向心力の式」「鉛直方向 = つりあい」の2式を立てること。単振り子との違いは、鉛直方向がつりあい(加速度0)であること。周期の公式 \(T = 2\pi\sqrt{l\cos\theta/g}\) は頻出。