振幅が大きいと移動距離は増えるが、復元力も大きくなるため速さも増す。結果として「距離が増えた分を速さの増加が補償」し、1周にかかる時間は変わらない。これが単振動の等時性。
ばね振り子の運動方程式 \(ma = -kx\) から、角振動数は
$$ \omega = \sqrt{\frac{k}{m}} $$周期は
$$ T = \frac{2\pi}{\omega} = 2\pi\sqrt{\frac{m}{k}} $$この式に振幅 \(A\) は含まれない。振幅が異なっても周期は同じ。
数値計算の確認:質量 2.0 kg の物体が速度 3.0 m/s で運動するとき、運動エネルギーは \(\frac{1}{2} \times 2.0 \times 3.0^2 = 9.0\) J。高さ 5.0 cm = 0.050 m から落とすと速さは \(v = \sqrt{2 \times 9.8 \times 0.050} = 0.99\) m/s です。
力学的エネルギー \(E = \frac{1}{2}kA^2\) は振幅の2乗に比例する。振幅が2倍になるとエネルギーは4倍。最大速さ \(v_{\max} = A\omega\) は振幅に比例して大きくなる。移動距離も振幅に比例するので、\(T \sim \text{距離}/\text{速さ} \sim A/(A\omega) = 1/\omega\) となり、振幅が消える。
単振動の等時性:周期は振幅に依存しない。これは「力が変位に比例する」(\(F = -kx\))ことから導かれる本質的な性質。