断熱変化では外部との熱のやりとりがありません(\(Q = 0\))。気体を圧縮すると外部から仕事をされて内部エネルギーが増え、温度が上がります。逆に膨張させると内部エネルギーが減り、温度が下がります。ディーゼルエンジンの点火はこの原理を利用しています。
Step 1:断熱変化の条件
外部との熱の出入りがないので:
$$ Q = 0 $$Step 2:熱力学第一法則の適用
$$ \Delta U = Q + W = 0 + W = W $$気体がされた仕事 \(W\) がそのまま内部エネルギーの変化になります。
Step 3:具体的な数値計算
断熱圧縮で外部から \(W = 65\) J の仕事をされたとき:
$$ \Delta U = W = 65 \text{ J} $$1.0 mol の単原子分子で温度変化は:
$$ \Delta T = \frac{\Delta U}{nC_V} = \frac{65}{1.0 \times \frac{3}{2} \times 8.31} = \frac{65}{12.5} = 5.2 \text{ K} $$断熱膨張で気体が外部に 65 J の仕事をした場合(\(W = -65\) J):
$$ \Delta U = -65 \text{ J} \quad \Rightarrow \quad \Delta T = -5.2 \text{ K} $$断熱圧縮で温度上昇:ディーゼルエンジンでは空気を急激に圧縮して約 500 °C 以上に加熱し、燃料を自然発火させます。注射器のピストンを素早く押すと中の空気が熱くなるのも同じ原理です。
断熱膨張で温度低下:スプレー缶のガスが噴出すると缶が冷たくなります。上昇気流で空気が膨張して冷え、水蒸気が凝結して雲ができるのも断熱膨張です。
\(Q = 0\) なので \(\Delta U = W\)。断熱圧縮 → 温度上昇、断熱膨張 → 温度低下。ピストンをドラッグして、体積変化と温度変化の関係を確認しましょう。