定圧変化では気体が膨張して外部に仕事をするため、同じ温度を上げるのに定積変化より多くの熱が必要です。その差はちょうど気体定数 \(R\) に等しく、これがマイヤーの関係 \(C_p = C_V + R\) です。
Step 1:マイヤーの関係の導出
定圧変化で \(n\) mol の気体に熱量 \(Q_p = nC_p\Delta T\) を加えたとき、内部エネルギーの増加と仕事に分かれます:
$$ nC_p\Delta T = nC_V\Delta T + nR\Delta T $$両辺を \(n\Delta T\) で割ると:
$$ C_p = C_V + R $$Step 2:単原子分子での計算
\(C_V = \frac{3}{2}R = \frac{3}{2} \times 8.31 = 12.5\) J/(mol·K) なので:
$$ C_p = \frac{3}{2}R + R = \frac{5}{2}R = \frac{5}{2} \times 8.31 = 20.8 \text{ J/(mol·K)} $$Step 3:比熱比
$$ \gamma = \frac{C_p}{C_V} = \frac{5/2 \cdot R}{3/2 \cdot R} = \frac{5}{3} \fallingdotseq 1.67 $$数値計算の確認:温度 300 K、体積 1.0 L の理想気体 1.0 mol では \(pV = nRT\) より \(p = 1.0 \times 8.31 \times 300 / 0.001 = 2.49 \times 10^6\) Pa。内部エネルギーは \(U = \frac{3}{2} \times 1.0 \times 8.31 \times 300 = 3740\) J です。
定圧変化と定積変化で同じ温度上昇 \(\Delta T\) を起こすとき、内部エネルギーの増加 \(\Delta U = nC_V\Delta T\) は同じです(\(\Delta U\) は温度のみに依存)。
しかし定圧変化では気体が膨張して仕事 \(W' = p\Delta V = nR\Delta T\) を追加でします。その分だけ余計に熱が必要なので \(C_p > C_V\) となり、差がちょうど \(R\) です。
この関係は理想気体なら分子の種類(単原子・二原子)によらず成り立ちます。
マイヤーの関係 \(C_p = C_V + R\) は気体の種類によらない普遍的関係。グラフで \(\Delta T\) を変えると、定圧変化では常に仕事 \(W' = nR\Delta T\) の分だけ余計に熱が必要なことが分かります。