教科書(物理) 演習問題2:気体分子の運動

解法

直感的理解

気体の圧力は無数の分子が壁に衝突して跳ね返ることで生じます。1個の分子が壁に与える力は微小ですが、\(10^{23}\) 個もの分子が絶え間なく衝突するため、マクロな圧力として観測されるのです。

Step 1:1回の衝突での力積

質量 \(m\) の分子が速度 \(v_x\) で壁に衝突して弾性反射する:

$$\Delta p = 2mv_x$$

Step 2:単位時間あたりの衝突回数

容器の長さ \(L\) の間を往復する時間は \(2L/v_x\)。単位時間の衝突回数は:

$$n = \frac{v_x}{2L}$$

Step 3:1個の分子が壁に及ぼす平均の力

$$\bar{F}_1 = \frac{2mv_x \cdot v_x}{2L} = \frac{mv_x^2}{L}$$

Step 4:\(N\) 個の分子による圧力

\(\overline{v_x^2} = \overline{v^2}/3\)(等方性)を使うと:

$$p = \frac{N \cdot m\overline{v_x^2}}{L \cdot S} = \frac{Nm\overline{v^2}}{3V}$$
答え
$$p = \frac{Nm\overline{v^2}}{3V}$$
補足:理想気体の状態方程式との関係

\(pV = NkT\) と比較すると:

$$\frac{1}{2}m\overline{v^2} = \frac{3}{2}kT$$

これが分子の平均運動エネルギーと温度の関係式です。温度は分子の運動エネルギーの尺度であることがわかります。

Point

気体の圧力は分子の衝突の集合効果。導出の鍵は「1個 → N 個」「x成分 → 全速度(1/3)」の2ステップです。