教科書(物理) 問A:風がある場合のドップラー効果

解法

直感的理解

風は空気そのものを運ぶので、音波も一緒に運ばれます。風の向きに音が伝わるときは実効音速が上がり、逆向きなら下がります。ただし、音源も観測者も同じ空気中にいるので、両者が静止している限り風だけでは振動数は変わりません。

(1) 両者静止、風速 \(V_w\) の場合

風がある場合、音の実効速さは \(V' = V + V_w\)(追い風方向)ですが、音源も観測者も静止しているので:

$$ f' = \frac{V + V_w - 0}{V + V_w - 0} \times f = f $$

風だけでは振動数は変化しません。波長は長くなりますが、同時に音速も上がるため打ち消されます。

(2) 音源が \(v_s = 20\) m/s で近づく、追い風 \(V_w = 2\) m/s の場合

ドップラーの公式で \(V \to V + V_w\) と置き換えます:

$$ f' = \frac{V + V_w}{V + V_w - v_s} f = \frac{340 + 2}{340 + 2 - 20} \times 680 $$ $$ = \frac{342}{322} \times 680 = \frac{171}{161} \times 680 \fallingdotseq 722.4 \text{ Hz} $$
答え
(1) \(f' = f\)(変化なし)
(2) \(f' = \dfrac{V + V_w}{V + V_w - v_s} f \fallingdotseq 722\) Hz
補足:風がない場合との比較

風なし(\(V_w = 0\))で同じ条件の場合:

$$ f'_0 = \frac{V}{V - v_s} f = \frac{340}{320} \times 680 = 722.5 \text{ Hz} $$

追い風 2 m/s の場合と比較すると \(722.4\) Hz vs \(722.5\) Hz で、ほとんど差がありません。風速が音速に比べて十分小さいため、影響は微小です。

Point

風がある場合の鉄則:ドップラーの公式の \(V\) を実効音速 \(V \pm V_w\) に置き換えるだけ。音源・観測者の速度はそのまま。両者が静止なら風の影響はゼロ。