静止した装置から音を出し、動いている物体に反射させます。物体は「音を受け取る観測者」でもあり「反射音を出す音源」でもあるため、ドップラー効果が2段階で起こります。反射音と元の音の差がうなりとして聞こえ、そのうなり回数から速度がわかります。
2段階のドップラー効果
装置(静止)から振動数 \(f_0\) の音を出し、速さ \(v\) で近づく物体に反射させます。
Step 1:物体が音を受け取る(物体は観測者)
$$ f_1 = \frac{V + v}{V} f_0 $$Step 2:物体が反射音を出す(物体は音源)
$$ f' = \frac{V}{V - v} f_1 = \frac{V}{V - v} \cdot \frac{V + v}{V} f_0 = \frac{V + v}{V - v} f_0 $$具体的な計算(\(v = 10\) m/s, \(f_0 = 1000\) Hz):
$$ f' = \frac{340 + 10}{340 - 10} \times 1000 = \frac{350}{330} \times 1000 \fallingdotseq 1060.6 \text{ Hz} $$うなり回数:
$$ N = f' - f_0 \fallingdotseq 1060.6 - 1000 = 60.6 \text{ 回/s} $$\(v \ll V\) のとき、うなり回数は近似的に:
$$ N = \frac{2v}{V - v} f_0 \fallingdotseq \frac{2v}{V} f_0 $$よって速度は:
$$ v \fallingdotseq \frac{N \cdot V}{2 f_0} $$例:\(N = 60\), \(V = 340\), \(f_0 = 1000\) → \(v \fallingdotseq \dfrac{60 \times 340}{2000} = 10.2\) m/s。実際の値 10 m/s に近い近似です。この原理はスピードガンやドップラーレーダーに応用されています。
反射によるドップラー効果は2段階で起こります。物体は「観測者として受け取る」→「音源として反射する」の両方の役割を果たすため、振動数変化が2倍になります。