平行板コンデンサーの電気容量は「どれだけ電荷を蓄えやすいか」を表す量です。極板の面積 \(S\) が大きいほど電荷を多く蓄えられ、極板間の距離 \(d\) が小さいほど電場が強くなるので電位差が小さく済み、結果として容量が大きくなります。
Step 1. 一様電場の式を整理する
教科書 p.241 の式(15) より、平行板間の一様な電場は
$$E = 4\pi k_0 \frac{Q}{S}$$ここでクーロンの法則の比例定数 \(k_0 = \dfrac{1}{4\pi\varepsilon_0}\) を代入すると
$$E = 4\pi \cdot \frac{1}{4\pi\varepsilon_0} \cdot \frac{Q}{S} = \frac{Q}{\varepsilon_0 S}$$Step 2. 極板間の電位差を求める
一様電場中では \(V = Ed\) なので
$$V = Ed = \frac{Qd}{\varepsilon_0 S}$$Step 3. 電気容量の定義から C を求める
電気容量の定義 \(C = \dfrac{Q}{V}\) に代入して
$$C = \frac{Q}{V} = \frac{Q}{\dfrac{Qd}{\varepsilon_0 S}} = \frac{\varepsilon_0 S}{d}$$数値計算の確認:電気素量 \(e = 1.6 \times 10^{-19}\) C の電子が電位差 100 V で加速されると、運動エネルギーは \(eV = 1.6 \times 10^{-19} \times 100 = 1.6 \times 10^{-17}\) J = 100 eV です。
電気容量は極板面積 \(S\) に比例し、極板間距離 \(d\) に反比例する。
\(C = Q/V\) の定義に \(V = Qd/(\varepsilon_0 S)\) を代入すると、分子・分母の \(Q\) が約分されます。これは電気容量がコンデンサーの形状と材質だけで決まる量であり、蓄えた電荷の大小には依存しないことを意味しています。
極板間に比誘電率 \(\varepsilon_r\) の誘電体を挿入すると、電気容量は
$$C = \frac{\varepsilon_r \varepsilon_0 S}{d}$$のように \(\varepsilon_r\) 倍に増加します。これは誘電体内の分極が外部電場を弱め、同じ電荷でも電位差が小さくなるためです。
この導出の流れは「\(E\) を求める → \(V = Ed\) → \(C = Q/V\)」の3ステップ。途中で \(k_0 = 1/(4\pi\varepsilon_0)\) の代入を忘れないこと。また、最終結果に \(Q\) が残らないことが電気容量の本質的な性質を示している。