コンデンサーの極板間に誘電体(絶縁体)を挿入すると、誘電体内部の分子が分極して外部電場を打ち消す方向に内部電場を作ります。その結果、同じ電荷を蓄えても極板間の電位差が小さくなり、電気容量 \(C = Q/V\) が大きくなります。比誘電率 \(\varepsilon_r\) の誘電体を入れると、容量はちょうど \(\varepsilon_r\) 倍になります。
Step 1. 誘電体挿入時の電気容量の公式を確認する
真空中のコンデンサーの電気容量が \(C_0\) のとき、極板間に比誘電率 \(\varepsilon_r\) の誘電体をすき間なく入れると、電気容量は
$$C' = \varepsilon_r C_0$$となります。これは誘電体の分極によって極板間の電場が \(1/\varepsilon_r\) に弱まり、電位差が小さくなるためです。
Step 2. 数値を代入する
与えられた値を代入します。
$$C' = \varepsilon_r \times C_0 = 5000 \times 2.0 \times 10^{-12}$$ $$= 1.0 \times 10^{-8} \text{ F}$$SI接頭辞で表すと \(10 \text{ nF}\)(ナノファラド)です。
数値計算の確認:電気素量 \(e = 1.6 \times 10^{-19}\) C の電子が電位差 100 V で加速されると、運動エネルギーは \(eV = 1.6 \times 10^{-19} \times 100 = 1.6 \times 10^{-17}\) J = 100 eV です。
\(1.0 \times 10^{-9}\) F は桁を1つ間違えたもの(\(\times 10^3\) と \(\times 10^4\) を取り違え)。
\(1.0 \times 10^{-7}\) F は桁が1つ多い(\(5000 \times 2.0 = 10000 = 10^4\) とすべきところを \(10^5\) とした)。
\(2.5 \times 10^{-16}\) F は \(C_0\) を \(\varepsilon_r\) で割ってしまった場合の値です。誘電体を入れると容量は増えることを忘れないようにしましょう。
チタン酸バリウム(BaTiO\(_3\))は比誘電率が 1000〜10000 と非常に大きい強誘電体です。この性質を利用して、スマートフォンや電子回路で使われる積層セラミックコンデンサー(MLCC)の主要材料となっています。小さなサイズで大きな容量を実現できるのは、この高い比誘電率のおかげです。
誘電体をすき間なく挿入すると、電気容量は \(\varepsilon_r\) 倍になる。チタン酸バリウムのように \(\varepsilon_r\) が数千に達する材料では、真空時と比べて容量が桁違いに大きくなる。計算では「\(\varepsilon_r \times C_0\)」の掛け算で、指数部分の桁を正確に処理することが重要。