コンデンサーの極板間に誘電体(プラスチックやガラスなど)を挿入すると、誘電体内の分子が分極して電場を弱め、同じ電圧でもより多くの電荷を蓄えられるようになります。真空のときと比べて何倍の電気容量になるかを表す数値が比誘電率 \(\varepsilon_r\) です。
Step 1:誘電体挿入の効果
極板間が真空のときの電気容量 \(C_0 = \varepsilon_0 \dfrac{S}{d}\) に対し、比誘電率 \(\varepsilon_r\) の誘電体を挿入すると:
$$ C = \varepsilon_r C_0 = \varepsilon_r \varepsilon_0 \frac{S}{d} $$Step 2:電池をつないだまま挿入する場合
電圧 \(V\) 一定のとき、蓄えられる電気量は \(Q = CV\) なので:
$$ Q = \varepsilon_r C_0 V = \varepsilon_r Q_0 $$電気量が \(\varepsilon_r\) 倍に増加します。極板間の電場は \(E = V/d\) で変わりません。
Step 3:電池を外してから挿入する場合
電気量 \(Q_0\) 一定のとき、電圧は \(V = Q_0/C\) なので:
$$ V = \frac{Q_0}{\varepsilon_r C_0} = \frac{V_0}{\varepsilon_r} $$電圧が \(1/\varepsilon_r\) 倍に減少します。
数値例:\(\varepsilon_r = 5.0\) のガラスを挿入する場合
\(C_0 = 2.0\) μF のとき:
$$ C = 5.0 \times 2.0 = 10 \text{ μF} $$電池つなぎっぱなし(\(V = 12\) V)のとき:
$$ Q = 10 \times 10^{-6} \times 12 = 1.2 \times 10^{-4} \text{ C} = 120 \text{ μC} $$誘電体を挿入すると、分子が電場方向に分極し、極板の電荷を一部打ち消す方向の電場が生じます。結果として、誘電体内部の電場は真空中の \(1/\varepsilon_r\) 倍に弱まります:
$$ E_{\text{誘電体}} = \frac{E_0}{\varepsilon_r} $$この効果により、同じ電圧でもより多くの電荷を蓄えられます。
「電池つなぎっぱなし → V一定、Qが変化」「電池を外す → Q一定、Vが変化」。この場合分けが頻出問題のカギです。スライダーで \(\varepsilon_r\) を変えて容量の変化を確認しましょう。