コンデンサーに蓄えられる静電エネルギーは、充電時に電荷を少しずつ運ぶために必要な仕事の合計です。電荷が溜まるほど電位差が上がり、次の電荷を運ぶのが大変になるため、エネルギーは \(\frac{1}{2}\) が付きます。与えられている物理量(\(Q, V, C\))の組み合わせに応じて、3つの公式を使い分けます。
コンデンサーの静電エネルギー \(U\) を求める公式は3つあり、与えられた物理量の組み合わせによって最適な公式を選びます。
3つの公式:
$$U = \frac{1}{2}QV = \frac{1}{2}CV^2 = \frac{Q^2}{2C}$$これらは \(Q = CV\) の関係で互いに導かれる等価な式です。
3つの公式はすべて \(Q = CV\) で繋がっている。「与えられた2つの量をそのまま代入できる公式」を選ぶのが最速。変換の手間を省き、計算ミスも防げる。
電気量 \(Q\) と電圧 \(V\) がどちらもわかっている場合、エネルギーの公式 \(U = \frac{1}{2}QV\) にそのまま代入するだけです。\(C\) を求める必要はありません。
Step 1. 使う公式を選ぶ
与えられた量: \(V = 12\) V、\(Q = 4.0 \times 10^{-5}\) C
\(Q\) と \(V\) が既知なので、最適な公式は
$$U = \frac{1}{2}QV$$Step 2. 代入して計算する
$$U = \frac{1}{2} \times 4.0 \times 10^{-5} \times 12$$ $$= \frac{1}{2} \times 4.8 \times 10^{-4}$$ $$= 2.4 \times 10^{-4} \text{ J}$$\(4.8 \times 10^{-4}\) J は \(\frac{1}{2}\) を掛け忘れた値(\(QV\) をそのまま答えにした場合)。
\(1.2 \times 10^{-4}\) J は \(\frac{1}{2}QV\) ではなく \(\frac{1}{4}QV\) を計算した場合です。
\(2.4 \times 10^{-5}\) J は指数部分を1桁間違えたものです。
\(Q\) と \(V\) が与えられたら \(U = \frac{1}{2}QV\) に直接代入。\(\frac{1}{2}\) を忘れないことが最も重要。
電気容量 \(C\) と電圧 \(V\) が既知のとき、\(U = \frac{1}{2}CV^2\) を使います。\(V\) が2乗されるので、電圧が大きいとエネルギーは急激に増えます。\(3.0 \times 10^6\) V という巨大な電圧のため、エネルギーも非常に大きな値になります。
Step 1. 使う公式を選ぶ
与えられた量: \(C = 2.0 \times 10^{-6}\) F(= 2.0 μF)、\(V = 3.0 \times 10^{6}\) V
\(C\) と \(V\) が既知なので、最適な公式は
$$U = \frac{1}{2}CV^2$$Step 2. 代入して計算する
$$U = \frac{1}{2} \times 2.0 \times 10^{-6} \times (3.0 \times 10^{6})^2$$まず \(V^2\) を計算します。
$$(3.0 \times 10^{6})^2 = 9.0 \times 10^{12}$$これを代入して
$$U = \frac{1}{2} \times 2.0 \times 10^{-6} \times 9.0 \times 10^{12}$$ $$= \frac{1}{2} \times 18.0 \times 10^{6}$$ $$= 9.0 \times 10^{6} \text{ J}$$\(V^2\) の計算で指数法則を確実に使います。
$$(a \times 10^n)^2 = a^2 \times 10^{2n}$$\((3.0 \times 10^{6})^2 = 3.0^2 \times 10^{6 \times 2} = 9.0 \times 10^{12}\)
次に掛け算の指数部分: \(10^{-6} \times 10^{12} = 10^{-6+12} = 10^{6}\)
指数部分を丁寧に処理することがミスを防ぐポイントです。
\(4.5 \times 10^{6}\) J は \(V^2\) ではなく \(V\) のまま代入した場合(\(\frac{1}{2} \times 2.0 \times 10^{-6} \times 3.0 \times 10^6 = 3.0\) の半分ではなくパターン違い)。
\(1.8 \times 10^{7}\) J は \(\frac{1}{2}\) を掛け忘れた値です。
\(9.0 \times 10^{0} = 9.0\) J は指数計算を誤った場合です。
\(CV^2\) の計算では \(V\) の2乗を先に計算してから \(C\) と掛けるとミスが減る。指数法則 \((10^n)^2 = 10^{2n}\) と \(10^a \times 10^b = 10^{a+b}\) を丁寧に処理すること。
電気量 \(Q\) と電気容量 \(C\) が既知で電圧がわからないとき、\(U = \frac{Q^2}{2C}\) を使います。分子が \(Q^2\)、分母が \(2C\) の分数計算なので、指数の処理を丁寧に行いましょう。
Step 1. 使う公式を選ぶ
与えられた量: \(Q = 2.0 \times 10^{-2}\) C、\(C = 10 \times 10^{-6}\) F(= 10 μF)
\(Q\) と \(C\) が既知なので、最適な公式は
$$U = \frac{Q^2}{2C}$$Step 2. 代入して計算する
$$U = \frac{(2.0 \times 10^{-2})^2}{2 \times 10 \times 10^{-6}}$$分子を計算します。
$$(2.0 \times 10^{-2})^2 = 4.0 \times 10^{-4}$$分母を計算します。
$$2 \times 10 \times 10^{-6} = 2.0 \times 10^{-5}$$割り算を実行します。
$$U = \frac{4.0 \times 10^{-4}}{2.0 \times 10^{-5}} = \frac{4.0}{2.0} \times 10^{-4-(-5)} = 2.0 \times 10^{1} = 20 \text{ J}$$数値計算の確認:電気素量 \(e = 1.6 \times 10^{-19}\) C の電子が電位差 100 V で加速されると、運動エネルギーは \(eV = 1.6 \times 10^{-19} \times 100 = 1.6 \times 10^{-17}\) J = 100 eV です。
割り算の指数法則を確認します。
$$\frac{10^a}{10^b} = 10^{a - b}$$\(\frac{10^{-4}}{10^{-5}} = 10^{-4-(-5)} = 10^{-4+5} = 10^{1}\)
マイナスのマイナスがプラスになることを見落とさないようにしましょう。
\(10\) J は分子を \(Q^2\) ではなく \(Q\) のまま計算した場合(\(\frac{Q}{2C}\))。
\(40\) J は分母の \(2\) を忘れた場合(\(\frac{Q^2}{C}\))。
\(2.0\) J は指数計算で \(10^{-4}/10^{-5} = 10^{-1}\) とした場合のミスです。
\(\frac{Q^2}{2C}\) は分数の形なので、分子と分母を別々に計算してから割ると安全。特に \(\frac{10^{-4}}{10^{-5}} = 10^{1}\) のようなマイナス同士の指数の引き算は要注意。