\(+q\) は正の電位を、\(-4q\) は負の電位をつくります。A と B の間で、\(-4q\) の方が電気量が大きいので、電位ゼロの点は A 寄り(\(+q\) に近い側)に現れます。スライダーで点を動かし、\(V = 0\) になる位置を確認しましょう。
Step 1:A, B 間の点 x における電位
点 A(\(-1, 0\)) に \(+q\)、点 B(\(1, 0\)) に \(-4q\) があります。A, B 間(\(-1 < x < 1\))の点 \((x, 0)\) について、A からの距離は \(x - (-1) = x + 1\)、B からの距離は \(1 - x\) です。
$$V = \frac{k_0 q}{x + 1} + \frac{k_0(-4q)}{1 - x} = \frac{k_0 q}{x + 1} - \frac{4k_0 q}{1 - x}$$Step 2:V = 0 の方程式を解く
\(V = 0\) とおくと:
$$\frac{k_0 q}{x + 1} = \frac{4k_0 q}{1 - x}$$\(k_0 q \neq 0\) で割り、交差乗算すると:
$$1 - x = 4(x + 1) = 4x + 4$$ $$-5x = 3$$ $$\therefore \quad x = -\frac{3}{5}$$\(V = 0\) の条件は「\(+q\) による正の電位」と「\(-4q\) による負の電位」の絶対値が等しいことです:
$$\frac{k_0 q}{r_A} = \frac{4k_0 q}{r_B}$$すなわち \(r_B : r_A = 4 : 1\) です。A, B 間で \(r_A = x + 1\), \(r_B = 1 - x\) なので:
$$\frac{1 - x}{x + 1} = 4 \quad \Longrightarrow \quad 1 - x = 4x + 4 \quad \Longrightarrow \quad x = -\frac{3}{5}$$点 \((-\frac{3}{5}, 0)\) は A と B を \(1 : 4\) に内分する点です。
電位 \(V = 0\) の点は距離の比が電気量の比に等しくなる位置に現れます。\(|q_1| : |q_2| = r_1 : r_2\) の関係です。電気量が大きい方に近い側に寄るため、ここでは \(-4q\) から遠い A 寄りの位置になります。
電場はベクトル量です。2つの電荷がつくる電場が打ち消し合うには、大きさが等しく向きが逆でなければなりません。A, B の間では、\(+q\) の電場(右向き)と \(-4q\) の電場(右向き=B に引き寄せられる向き)がともに右を向くのでキャンセルしません。A の左側(\(x < -1\))でのみ逆向きになり得ます。
Step 1:電場の向きを分析する
x 軸上の各領域で、\(+q\) がつくる電場(正電荷から離れる向き)と \(-4q\) がつくる電場(負電荷に向かう向き)の方向を確認します:
Step 2:A の左側で E = 0 の方程式を解く
\(x < -1\) の点で、A からの距離 \(|x + 1|\)、B からの距離 \(|x - 1|\) を使います:
$$\frac{k_0 q}{(x + 1)^2} = \frac{4k_0 q}{(x - 1)^2}$$両辺に \((x+1)^2(x-1)^2\) をかけて:
$$(x - 1)^2 = 4(x + 1)^2$$両辺の平方根をとると(\(x < -1\) では \(x - 1 < 0\), \(x + 1 < 0\) なので符号に注意):
$$|x - 1| = 2|x + 1|$$ $$-(x - 1) = -2(x + 1)$$ $$-x + 1 = -2x - 2$$ $$x = -3$$Step 3:検証
\(x = -3\) のとき:
大きさが等しく逆向き → \(E = 0\) が確認できました。
\(x > 1\) では \(E_A\) と \(E_B\) が逆向きになりますが、\(-4q\) は電気量が4倍、しかも B の方が近いため、常に \(E_B > E_A\) です。数式で確認すると:
$$(x-1)^2 = 4(x+1)^2 \quad \Longrightarrow \quad x - 1 = \pm 2(x+1)$$正の解は \(x - 1 = -2(x+1)\) から \(x = -1/3\)(A, B 間)となり、B の右側には解がありません。
\((x-1)^2 = 4(x+1)^2\) の両辺の平方根をとると \(|x-1| = 2|x+1|\) です。
場合分け:
電場の打ち消しでは向きの分析が本質です。A, B 間では正電荷・負電荷ともに同じ方向に電場を生むためキャンセルしません。電場ゼロの点は電気量の小さい方の電荷の外側(ここでは A の左側)に現れます。これは (1) の電位ゼロ(スカラー量で向き不要)とは対照的です。
P は x 軸から離れた平面上の点です。A, B から P までの距離はいずれも \(\sqrt{5}\) で等しいですが、電気量が異なるため電場の大きさは異なります。\(E_A\) と \(E_B\) のベクトルを成分分解して合成します。
Step 1:各電荷から P への距離と電場の大きさ
A(\(-1, 0\)) から P(\(0, 2\)) への距離、B(\(1, 0\)) から P(\(0, 2\)) への距離はそれぞれ:
$$AP = \sqrt{1^2 + 2^2} = \sqrt{5}, \qquad BP = \sqrt{1^2 + 2^2} = \sqrt{5}$$各電荷がつくる電場の大きさ:
$$E_A = \frac{k_0 q}{(\sqrt{5})^2} = \frac{k_0 q}{5}, \qquad E_B = \frac{4k_0 q}{(\sqrt{5})^2} = \frac{4k_0 q}{5}$$Step 2:方向余弦を求める
A → P の方向ベクトルは \((1, 2)\)、B → P の方向ベクトルは \((-1, 2)\) です。\(\sqrt{5}\) で割って単位ベクトルにします:
$$\cos\theta = \frac{1}{\sqrt{5}}, \qquad \sin\theta = \frac{2}{\sqrt{5}}$$Step 3:成分分解
\(E_A\) の向き:A から P へ離れる方向(正電荷)= \((+, +)\) 方向
$$E_{Ax} = \frac{k_0 q}{5} \cdot \frac{1}{\sqrt{5}} = \frac{k_0 q}{5\sqrt{5}}, \qquad E_{Ay} = \frac{k_0 q}{5} \cdot \frac{2}{\sqrt{5}} = \frac{2k_0 q}{5\sqrt{5}}$$\(E_B\) の向き:P から B へ向かう方向(負電荷に引き寄せる)= \((+, -)\) 方向
$$E_{Bx} = \frac{4k_0 q}{5} \cdot \frac{1}{\sqrt{5}} = \frac{4k_0 q}{5\sqrt{5}}, \qquad E_{By} = \frac{4k_0 q}{5} \cdot \frac{(-2)}{\sqrt{5}} = -\frac{8k_0 q}{5\sqrt{5}}$$Step 4:合成
$$E_x = E_{Ax} + E_{Bx} = \frac{k_0 q}{5\sqrt{5}} + \frac{4k_0 q}{5\sqrt{5}} = \frac{5k_0 q}{5\sqrt{5}} = \frac{k_0 q}{\sqrt{5}}$$ $$E_y = E_{Ay} + E_{By} = \frac{2k_0 q}{5\sqrt{5}} - \frac{8k_0 q}{5\sqrt{5}} = -\frac{6k_0 q}{5\sqrt{5}}$$Step 5:合成電場の大きさ
$$E = \sqrt{E_x^2 + E_y^2} = \sqrt{\left(\frac{k_0 q}{\sqrt{5}}\right)^2 + \left(\frac{6k_0 q}{5\sqrt{5}}\right)^2}$$ $$= \frac{k_0 q}{5\sqrt{5}}\sqrt{25 + 36} = \frac{k_0 q\sqrt{61}}{5\sqrt{5}}$$P は A, B から等距離にあるため、\(E_A\) と \(E_B\) の x 成分の方向余弦は同じ \(\cos\theta = 1/\sqrt{5}\) です。x 成分は単純に加算:
$$E_x = (E_A + E_B)\cos\theta = \frac{5k_0 q}{5} \cdot \frac{1}{\sqrt{5}} = \frac{k_0 q}{\sqrt{5}}$$y 成分は \(E_A\) が正、\(E_B\) が負なので差をとります:
$$E_y = (E_A - E_B)\sin\theta = \frac{-3k_0 q}{5} \cdot \frac{2}{\sqrt{5}} = -\frac{6k_0 q}{5\sqrt{5}}$$分母の \(\sqrt{5}\) を有理化すると:
$$E = \frac{k_0 q \sqrt{61}}{5\sqrt{5}} = \frac{k_0 q \sqrt{61} \cdot \sqrt{5}}{5 \cdot 5} = \frac{k_0 q \sqrt{305}}{25}$$どちらの形でも正解です。
平面上の点における電場の合成はベクトルの成分分解が基本です。(1) 各電荷からの距離を求め、(2) 電場の大きさを計算し、(3) 方向余弦で x, y 成分に分解、(4) 成分ごとに加算、(5) ピタゴラスの定理で合成——という手順を定着させましょう。正電荷は「離れる向き」、負電荷は「向かう向き」に電場をつくることを忘れずに。