下のシミュレーションで「スイッチ切」と「スイッチ入」を切り替え、誘電体を挿入してみましょう。\(Q\)・\(V\)・\(C\) の変化を確認できます。
\(Q = CV\) にそのまま代入します。
$$ Q = CV = 20 \times 10^{-12} \times 10 = 2.0 \times 10^{-10} \text{ C} $$スイッチを切ると電荷の移動経路がなくなるため、\(Q\) は一定のまま保たれます。
誘電体(比誘電率 \(\varepsilon_r = 5.0\))を挿入すると電気容量は
$$ C' = \varepsilon_r C_0 = 5.0 \times 20 = 100 \text{ pF} $$\(Q\) 一定なので、極板間の電位差は
$$ V' = \frac{Q}{C'} = \frac{2.0 \times 10^{-10}}{100 \times 10^{-12}} = 2.0 \text{ V} $$電源がつながったままなので、\(V\) は一定(\(V = 10\) V)です。
電気容量は (2a) と同様に \(C' = 100\) pF。\(V\) 一定なので
$$ Q' = C'V = 100 \times 10^{-12} \times 10 = 1.0 \times 10^{-9} \text{ C} $$数値計算の確認:電気素量 \(e = 1.6 \times 10^{-19}\) C の電子が電位差 100 V で加速されると、運動エネルギーは \(eV = 1.6 \times 10^{-19} \times 100 = 1.6 \times 10^{-17}\) J = 100 eV です。
| スイッチ切 (2a) | スイッチ入 (2b) | |
|---|---|---|
| 一定量 | \(Q = 2.0 \times 10^{-10}\) C | \(V = 10\) V |
| 電気容量 | \(C' = 100\) pF | \(C' = 100\) pF |
| 電位差 | \(V' = 2.0\) V(1/5 に低下) | \(V' = 10\) V(変化なし) |
| 電気量 | \(Q = 2.0 \times 10^{-10}\) C(変化なし) | \(Q' = 1.0 \times 10^{-9}\) C(5倍に増加) |
誘電体で \(C\) が \(\varepsilon_r\) 倍になったとき、\(Q\) 一定なら \(V\) は \(1/\varepsilon_r\) 倍に、\(V\) 一定なら \(Q\) は \(\varepsilon_r\) 倍になります。
誘電体の効果は「\(C\) が \(\varepsilon_r\) 倍になる」——これだけ覚えれば、あとは「何が一定か」の判断で解けます。
この問題は例題5(極板間隔の変化)と本質的に同じ考え方です。変化するのが \(d\) か \(\varepsilon_r\) かの違いだけで、「電池あり/なし → 何が一定か」の判断が解法のカギです。