教科書(物理) 演習問題4:平行板コンデンサーと誘電体

解法

直感的理解

下のシミュレーションで「スイッチ切」と「スイッチ入」を切り替え、誘電体を挿入してみましょう。\(Q\)・\(V\)・\(C\) の変化を確認できます。

(1) 充電完了時の電気量

\(Q = CV\) にそのまま代入します。

$$ Q = CV = 20 \times 10^{-12} \times 10 = 2.0 \times 10^{-10} \text{ C} $$
答え (1)
\(Q = 2.0 \times 10^{-10}\) C

(2a) スイッチを切って誘電体を挿入

スイッチを切ると電荷の移動経路がなくなるため、\(Q\) は一定のまま保たれます。

誘電体(比誘電率 \(\varepsilon_r = 5.0\))を挿入すると電気容量は

$$ C' = \varepsilon_r C_0 = 5.0 \times 20 = 100 \text{ pF} $$

\(Q\) 一定なので、極板間の電位差は

$$ V' = \frac{Q}{C'} = \frac{2.0 \times 10^{-10}}{100 \times 10^{-12}} = 2.0 \text{ V} $$
答え (2a)
\(V' = 2.0\) V

(2b) スイッチを入れたまま誘電体を挿入

電源がつながったままなので、\(V\) は一定(\(V = 10\) V)です。

電気容量は (2a) と同様に \(C' = 100\) pF。\(V\) 一定なので

$$ Q' = C'V = 100 \times 10^{-12} \times 10 = 1.0 \times 10^{-9} \text{ C} $$

数値計算の確認:電気素量 \(e = 1.6 \times 10^{-19}\) C の電子が電位差 100 V で加速されると、運動エネルギーは \(eV = 1.6 \times 10^{-19} \times 100 = 1.6 \times 10^{-17}\) J = 100 eV です。

答え (2b)
\(Q' = 1.0 \times 10^{-9}\) C、\(V' = 10\) V
💡 (2a) と (2b) の違いを整理する
スイッチ切 (2a)スイッチ入 (2b)
一定量\(Q = 2.0 \times 10^{-10}\) C\(V = 10\) V
電気容量\(C' = 100\) pF\(C' = 100\) pF
電位差\(V' = 2.0\) V(1/5 に低下)\(V' = 10\) V(変化なし)
電気量\(Q = 2.0 \times 10^{-10}\) C(変化なし)\(Q' = 1.0 \times 10^{-9}\) C(5倍に増加)

誘電体で \(C\) が \(\varepsilon_r\) 倍になったとき、\(Q\) 一定なら \(V\) は \(1/\varepsilon_r\) 倍に、\(V\) 一定なら \(Q\) は \(\varepsilon_r\) 倍になります。

📌 ポイント

誘電体の効果は「\(C\) が \(\varepsilon_r\) 倍になる」——これだけ覚えれば、あとは「何が一定か」の判断で解けます。

この問題は例題5(極板間隔の変化)と本質的に同じ考え方です。変化するのが \(d\) か \(\varepsilon_r\) かの違いだけで、「電池あり/なし → 何が一定か」の判断が解法のカギです。