折れ線グラフを「坂道のつなぎ合わせ」と考えましょう。急な坂(傾きが大きい区間)ほど電場が強く、水平な部分(傾きゼロ)では電場はゼロです。点 A や点 B がどの「坂」に乗っているかを見れば、その場所の電場がわかります。
折れ線グラフの各区間は一様な電場に対応します。電場の強さは \(V\text{-}x\) グラフの傾きの絶対値です。
$$E = \left|\frac{\Delta V}{\Delta x}\right|$$点 A(\(x = 0.30\) m)は区間 \(0 \leq x \leq 0.60\) にあるので、
$$E_A = \left|\frac{12 - 24}{0.60 - 0}\right| = \left|\frac{-12}{0.60}\right| = 20 \text{ V/m}$$点 B(\(x = 1.05\) m)は区間 \(0.90 \leq x \leq 1.20\) にあるので、
$$E_B = \left|\frac{0 - 12}{1.20 - 0.90}\right| = \left|\frac{-12}{0.30}\right| = 40 \text{ V/m}$$区間 \(0.60 \leq x \leq 0.90\) では \(V = 12\) V(一定)なので、傾きはゼロ → 電場ゼロです。電位が変化しない領域には電場が存在しません。これは等電位面の性質そのものです。
電場は電位が減少する方向に向きます。区間 \(0 \sim 0.60\) と \(0.90 \sim 1.20\) ではいずれも x が増えると V が減少するので、電場は x 軸の正の向きに向いています。
静電気力の仕事は経路によらず、始点と終点の電位差だけで決まります(保存力)。正電荷を低電位から高電位に移動させるのは、ボールを低い場所から高い場所に持ち上げるのと同じ — 静電気力は「坂を上る」方向には負の仕事をします。
静電気力のする仕事は、始点と終点の電位だけで決まります。
$$W = q(V_{\text{始点}} - V_{\text{終点}})$$まず点 B(\(x = 1.05\) m)の電位を求めます。B は区間 \(0.90 \leq x \leq 1.20\) の直線上にあるので、
$$V_B = 12 - \frac{12 - 0}{1.20 - 0.90} \times (1.05 - 0.90) = 12 - 40 \times 0.15 = 6 \text{ V}$$原点 O の電位は \(V_O = 24\) V です。B → O に運ぶので、
$$W = q(V_B - V_O) = 2.0 \times 10^{-8} \times (6 - 24)$$ $$= 2.0 \times 10^{-8} \times (-18) = -3.6 \times 10^{-7} \text{ J}$$負の値は、正電荷を低電位(6 V)から高電位(24 V)に運ぶため、静電気力に逆らう方向に移動していることを意味します。
正電荷の移動と仕事の符号の関係をまとめると:
| 移動方向 | 電位変化 | 静電気力の仕事 |
|---|---|---|
| 高電位 → 低電位 | \(V_{\text{始}} > V_{\text{終}}\) | \(W > 0\)(正の仕事) |
| 低電位 → 高電位 | \(V_{\text{始}} < V_{\text{終}}\) | \(W < 0\)(負の仕事) |
今回は B(6 V)→ O(24 V)なので低電位から高電位へ移動 → \(W < 0\) です。重力で言えば「ボールを低い所から高い所に持ち上げた」状況と同じです。
途中で電場がゼロの区間(\(0.60 \sim 0.90\))を通過しても、仕事の計算には関係ありません。静電気力は保存力なので、仕事は始点と終点の電位差だけで決まります。どんな曲がりくねった経路を通っても結果は同じ \(-3.6 \times 10^{-7}\) J です。