教科書(物理) 類題5:平行板コンデンサーと誘電体

解法

直感的理解

コンデンサーに誘電体を挟むと、誘電体内の分極が外部電場を弱め、電気容量が増加します。電池を外した場合は電荷が逃げられないので電圧が下がり、電池をつないだままなら電圧は変わらず電荷が増えます。「何が固定されているか」を見極めることが解法の鍵です。

初期状態の確認

まず初期条件を整理します。

$$C_0 = 200 \text{ pF},\quad V_0 = 40 \text{ V}$$ $$Q_0 = C_0 V_0 = 200 \times 10^{-12} \times 40 = 8.0 \times 10^{-9} \text{ C}$$

誘電体を挿入すると電気容量は \(\varepsilon_r\) 倍になります。

$$C' = \varepsilon_r C_0 = 5.0 \times 200 = 1000 \text{ pF} = 1.0 \times 10^{-9} \text{ F}$$

(a) 電池を外した場合(\(Q\) 一定)

電池を外すと外部回路が切れるため、極板上の電荷は変化しません。\(Q = Q_0 = 8.0 \times 10^{-9}\) C のまま、容量だけが増加します。

$$V' = \frac{Q}{C'} = \frac{8.0 \times 10^{-9}}{1.0 \times 10^{-9}} = 8.0 \text{ V}$$
答え (a):\(V' = 8.0\) V

(b) 電池を接続した場合(\(V\) 一定)

電池がつながっていると、極板間の電圧は常に電池の電圧 \(V = 40\) V に保たれます。容量が増えた分だけ電荷が増加します。

$$Q' = C' V = 1.0 \times 10^{-9} \times 40 = 4.0 \times 10^{-8} \text{ C}$$
答え (b):\(Q' = 4.0 \times 10^{-8}\) C
補足:エネルギーの変化を比較する

静電エネルギー \(U = \frac{1}{2}CV^2 = \frac{Q^2}{2C}\) で比較すると面白い違いがあります。

(a) 電池外し:\(U_0 = \frac{Q_0^2}{2C_0} = 1.6 \times 10^{-7}\) J → \(U' = \frac{Q_0^2}{2C'} = 3.2 \times 10^{-8}\) J(減少)。エネルギーは誘電体を引き込む力の仕事に変換されます。

(b) 電池接続:\(U_0 = \frac{1}{2}C_0 V^2 = 1.6 \times 10^{-7}\) J → \(U' = \frac{1}{2}C' V^2 = 8.0 \times 10^{-7}\) J(増加)。電池が供給した電荷のエネルギーが蓄えられます。

補足:なぜ「電池外し → Q 一定」なのか

電池を外すと、極板は外部回路と絶縁されます。電荷は極板上に閉じ込められたまま移動できないので、誘電体を入れても出しても \(Q\) は変わりません。一方、電池が接続されている場合は回路を通じて電荷が出入りでき、電池が電圧を一定に保つよう電荷を供給(または吸収)します。

Point