教科書(物理) 類題6:コンデンサーの接続

解法

直感的理解

直列につないだコンデンサーは「一本道」に並んでいるため、一方の極板に \(+Q\) が誘導されると隣の極板に \(-Q\) が現れ、連鎖的にすべての極板に同じ大きさの電荷が蓄えられます。容量が小さいほど同じ \(Q\) に対して大きな電圧を負担し、容量が大きいほど電圧は小さくなります。

Step 1:合成容量を求める

直列接続の合成容量は、各容量の逆数の和の逆数です。

$$\frac{1}{C_\text{合}} = \frac{1}{C_1} + \frac{1}{C_2} + \frac{1}{C_3} = \frac{1}{C} + \frac{1}{C} + \frac{1}{2C}$$

通分して計算します。

$$\frac{1}{C_\text{合}} = \frac{2}{2C} + \frac{2}{2C} + \frac{1}{2C} = \frac{5}{2C}$$ $$\therefore\quad C_\text{合} = \frac{2C}{5}$$

Step 2:各コンデンサーの電気量

直列接続では、すべてのコンデンサーに蓄えられる電荷は等しく、合成容量に電源電圧をかけた値になります。

$$Q = C_\text{合} \times V = \frac{2C}{5} \times V = \frac{2CV}{5}$$

Step 3:各コンデンサーの電圧

\(V = Q / C\) で各コンデンサーの電圧を求めます。

$$V_1 = \frac{Q}{C_1} = \frac{2CV/5}{C} = \frac{2V}{5}$$ $$V_2 = \frac{Q}{C_2} = \frac{2CV/5}{C} = \frac{2V}{5}$$ $$V_3 = \frac{Q}{C_3} = \frac{2CV/5}{2C} = \frac{V}{5}$$

検算

各電圧の和が電源電圧に等しいことを確認します。

$$V_1 + V_2 + V_3 = \frac{2V}{5} + \frac{2V}{5} + \frac{V}{5} = \frac{5V}{5} = V \quad \checkmark$$
答え:
合成容量:\(\displaystyle C_\text{合} = \frac{2C}{5}\)
各コンデンサーの電気量:\(\displaystyle Q = \frac{2CV}{5}\)(すべて等しい)
各コンデンサーの電圧:\(\displaystyle V_1 = V_2 = \frac{2V}{5},\quad V_3 = \frac{V}{5}\)
補足:なぜ直列で電荷が等しくなるのか

直列接続では、隣り合うコンデンサーの極板が導線でつながれた「孤立した導体」を形成します。この導体は外部と電荷のやり取りができないため、電荷の総量はゼロのままです。一方の極板に \(+Q\) が誘導されると、反対側の極板に \(-Q\) が現れ、この連鎖ですべてのコンデンサーに同じ大きさの \(Q\) が蓄えられます。

補足:容量が大きいほど電圧は小さい

\(V = Q/C\) より、同じ \(Q\) なら容量 \(C\) が大きいほど電圧 \(V\) は小さくなります。この問題では \(C_3 = 2C\) が最大なので、\(V_3 = V/5\) が最も小さい電圧になっています。直列回路では容量の小さいコンデンサーほど大きな電圧を負担することを覚えておきましょう。

Point