教科書(物理) 問24:ジュール熱

解法

直感的理解

電熱線に電流を流すと、自由電子が金属原子に衝突してエネルギーを渡し、熱が発生します。これがジュール熱です。ドライヤーや電気ストーブが温かくなるのはこの原理です。ジュール熱の計算は \(Q = IVt\)(電流×電圧×時間)が基本で、オームの法則を組み合わせることで \(Q = I^2Rt\) や \(Q = V^2t/R\) の形にも変形できます。

(1) V = 10 V, I = 1.2 A, t = 30 s のジュール熱

Step 1:公式の選択

電圧 \(V\) と電流 \(I\) が直接与えられているので、最もシンプルな形を使います:

$$ Q = IVt $$

Step 2:数値の代入

$$ Q = 1.2 \times 10 \times 30 = 360 \text{ J} $$
答え (1):
\(Q = 360\) J

(2) R = 30 Ω, V = 20 V, t = 1.0 分のジュール熱

Step 1:単位の変換

時間を秒に変換します:

$$ t = 1.0 \text{ min} = 60 \text{ s} $$

Step 2:公式の選択

電流は直接与えられていませんが、電圧と抵抗がわかっています。\(Q = IVt\) に \(I = V/R\) を代入すると:

$$ Q = \frac{V^2 t}{R} $$

Step 3:数値の代入

$$ Q = \frac{20^2 \times 60}{30} = \frac{400 \times 60}{30} = \frac{24000}{30} = 800 \text{ J} $$
答え (2):
\(Q = 800\) J
補足:ジュール熱の3つの公式の使い分け

ジュール熱の公式は3通りありますが、与えられた物理量に応じて最適な形を選びます:

  • \(Q = IVt\):電流と電圧の両方がわかるとき
  • \(Q = I^2Rt\):電流と抵抗がわかるとき(電圧不明)
  • \(Q = V^2t/R\):電圧と抵抗がわかるとき(電流不明)

いずれもオームの法則 \(V = IR\) を使った変形なので、本質的には同じ式です。

Point

時間の単位に注意! ジュール熱の公式で時間は必ず「秒(s)」に換算して代入します。「1.0分」をそのまま代入すると \(\frac{1}{60}\) 倍の誤答になります。