教科書(物理) 問31:倍率器

解法

直感的理解

電圧計が耐えられるのは最大 3.0 V までです。30 V を測りたいなら、残りの 27 V を別の抵抗(倍率器)に負担させます。直列回路では電流が同じなので、電圧の分担は抵抗の比で決まります。電圧を 10 倍測りたいなら、倍率器の抵抗は電圧計の内部抵抗の 9 倍必要です。

与えられた値:

倍率を求める:

$$n = \frac{V}{V_g} = \frac{30}{3.0} = 10$$

倍率器の抵抗を求める:

倍率器 \(R_m\) は電圧計に直列に接続するので、同じ電流 \(I\) が流れます。最大測定時に電圧計に \(V_g\) がかかるとき:

$$V = I(R_m + r_v)$$

また \(V_g = I \cdot r_v\) なので \(I = \dfrac{V_g}{r_v}\) を代入すると:

$$V = \frac{V_g}{r_v}(R_m + r_v)$$ $$\frac{V}{V_g} = \frac{R_m + r_v}{r_v} = \frac{R_m}{r_v} + 1$$ $$R_m = (n - 1) \cdot r_v = (10 - 1) \times 3.0 = 9 \times 3.0 = 27 \text{ kΩ}$$
答え:\(R_m = 27\) kΩ
別解:電圧の比から直接求める

直列回路では電圧は抵抗に比例するので:

$$\frac{V_m}{V_g} = \frac{R_m}{r_v}$$

倍率器にかかる電圧は \(V_m = V - V_g = 30 - 3.0 = 27\) V なので:

$$R_m = r_v \times \frac{V_m}{V_g} = 3.0 \times \frac{27}{3.0} = 27 \text{ kΩ}$$
補足:分流器と倍率器の比較
分流器(電流計用)倍率器(電圧計用)
接続方法並列直列
抵抗の大きさ小さい(\(R_s = \dfrac{r_a}{n-1}\))大きい(\(R_m = (n-1) \cdot r_v\))
役割余分な電流をバイパス余分な電圧を分担
倍率 \(n\) の意味測定電流が \(n\) 倍測定電圧が \(n\) 倍
Point

倍率器は電圧計に直列に接続する高抵抗です。公式 \(R_m = (n-1) \cdot r_v\) を覚えましょう(\(n\) は倍率)。直列接続では電流が等しいこと(\(V_g / r_v = V_m / R_m\))から導出できます。分流器(並列・低抵抗)と倍率器(直列・高抵抗)をセットで整理しておきましょう。