ダイオードは「一方通行の弁」のような素子です。順方向には電流が流れますが、その電圧-電流関係は直線的ではありません。R とダイオード D が直列に接続されているので、\(V_R + V_D = E\) が成り立ちます。ダイオードの特性曲線と、\(V_D = E - RI\) の直線(負荷線)の交点が動作点(回路の解)です。逆方向では電流がほぼ 0 なので、回路に電流は流れません。
(1) スイッチ S を (A) 側に入れたとき(順方向)
R と D が直列接続されているので、キルヒホッフの第2法則より:
$$V_R + V_D = E$$ $$RI + V_D = 1.2$$ $$I = \frac{E - V_D}{R} = \frac{1.2 - V_D}{2.0}$$これは \(V_D\)-\(I\) グラフ上で負荷線を表します:
この負荷線とダイオードの特性曲線の交点が回路の動作点です。グラフから読み取ると:
$$V_D \fallingdotseq 0.80 \, \text{V}, \quad \boldsymbol{I_1 \fallingdotseq 0.20 \, \text{A}}$$検算:\(V_R = RI_1 = 2.0 \times 0.20 = 0.40\) V、\(V_R + V_D = 0.40 + 0.80 = 1.20\) V = \(E\) ✓
(2) スイッチ S を (B) 側に入れたとき(逆方向)
ダイオードに逆方向の電圧がかかります。ダイオードの V-I 特性から、逆方向ではほとんど電流が流れません。
$$\boldsymbol{I_2 \fallingdotseq 0 \, \text{A}}$$非線形素子を含む回路の解法は次のステップで行います:
負荷線は常に直線になります。\(V\) 切片は \(E\)(開放電圧)、\(I\) 切片は \(E/R\)(短絡電流)です。
理想ダイオードは順方向で \(V_D = 0\)(電圧降下なし)、逆方向で \(I = 0\) とする簡略モデルです。
理想ダイオードなら \(I_1 = E / R = 1.2 / 2.0 = 0.60\) A となりますが、実際のダイオードは順方向でも約 0.6〜0.8 V の電圧降下があるため、\(I_1\) はこれより小さくなります。
本問では V-I 特性グラフが与えられているので、グラフから正確な動作点を読み取ります。
ダイオードなど非線形素子を含む回路では、負荷線法(グラフ法)を用いる。 \(V_R + V_D = E\) から導かれる負荷線と、素子の V-I 特性曲線の交点が動作点です。逆方向ではダイオードは事実上断線となり、電流は流れません。