教科書(物理) 類題10:コンデンサーを含む直流回路

解法

直感的理解

例題10と全く同じ考え方です。コンデンサーが充電完了すると電流が止まるため、\(R_2\) と \(C\) の並列部分は実質 \(R_2\) だけになります。あとは直列回路のオームの法則で全電流を求め、\(R_2\) の電圧降下がコンデンサーの電圧です。

定常状態の回路を分析します。

コンデンサーの充電が完了した定常状態では、コンデンサーに電流が流れません。回路は \(r\)、\(R_1\)、\(R_2\) の直列回路になります。

(1) コンデンサーの両端の電位差 \(V\)

定常電流 \(I\) は:

$$I = \frac{E}{r + R_1 + R_2} = \frac{6.0}{2.0 + 4.0 + 6.0} = \frac{6.0}{12.0} = 0.50 \, \text{A}$$

コンデンサーは \(R_2\) と並列なので:

$$V = R_2 \times I = 6.0 \times 0.50 = \boldsymbol{3.0 \, \text{V}}$$

(2) コンデンサーに蓄えられた電気量 \(Q\)

$$Q = CV = 3.0 \times 10^{-6} \times 3.0 = \boldsymbol{9.0 \times 10^{-6} \, \text{C} = 9.0 \, \mu\text{C}}$$

数値計算の確認:抵抗 10 Ω に電流 0.50 A が流れるとき、電圧は \(V = IR = 0.50 \times 10 = 5.0\) V、消費電力は \(P = I^2 R = 0.50^2 \times 10 = 2.5\) W です。

答え
(1) コンデンサーの両端の電位差:\(V = 3.0\) V
(2) コンデンサーに蓄えられた電気量:\(Q = 9.0 \times 10^{-6}\) C \(= 9.0 \, \mu\)C
検算:電圧降下の合計を確認

各抵抗の電圧降下を合計して起電力と一致するか確認します:

$$V_r + V_{R_1} + V_{R_2} = 0.50 \times 2.0 + 0.50 \times 4.0 + 0.50 \times 6.0 = 1.0 + 2.0 + 3.0 = 6.0 \, \text{V} = E \quad \checkmark$$

キルヒホッフの第2法則が成立しています。

補足:R2 と C が直列だった場合との違い

もし \(R_2\) と \(C\) が直列(一つの分岐に \(R_2\) → \(C\) の順で接続)だった場合、充電完了後はその分岐全体に電流が流れなくなります。

すると \(R_2\) にも電流が流れないので \(V_{R_2} = 0\) となり、コンデンサーの電圧は \(R_2\) の電圧降下ではなく、分岐全体にかかる電圧になります。

回路構成をよく読み取り、\(R_2\) と \(C\) が並列直列かを正確に判断することが重要です。

Point

コンデンサーを含む直流回路の解法手順:(1) 充電完了後の定常状態を考え、コンデンサーの分岐を「断線」として扱う。(2) 残った抵抗回路でオームの法則から電流を求める。(3) コンデンサーに並列な抵抗の電圧降下 = コンデンサーの電圧。(4) \(Q = CV\) で電気量を求める。この手順を確実に踏めば、複雑な回路でも対応できます。