磁場に対して斜めに入射した荷電粒子は、磁場に垂直な成分がローレンツ力で円運動を、平行な成分はそのまま等速直線運動をします。この2つを合わせるとらせん運動になります。x 軸を横切るのは、垂直面内の円運動がちょうど1周したとき(=1周期後)です。
Step 1:速度を分解する
Step 2:円運動の周期
ローレンツ力 = 向心力:
$$qv_\perp B = \frac{mv_\perp^2}{r} \quad \Longrightarrow \quad r = \frac{mv_\perp}{qB} = \frac{mv\sin\theta}{qB}$$ $$T = \frac{2\pi r}{v_\perp} = \frac{2\pi m}{qB}$$Step 3:(1) x 軸を横切るまでの時間
垂直面内の円運動がちょうど1周すると、粒子は x 軸上に戻ります。よって:
$$t = T = \frac{2\pi m}{qB}$$Step 4:(2) 原点からの距離
1周期の間に x 方向に進む距離(ピッチ):
$$d = v_\parallel \cdot T = v\cos\theta \cdot \frac{2\pi m}{qB} = \frac{2\pi mv\cos\theta}{qB}$$1周期後は y, z 成分とも 0(x 軸上に戻る)なので、原点からの距離はこの \(d\) に等しい。
数値計算の確認:電流 10 A の直線導線から距離 5.0 cm の点の磁束密度は \(B = \mu_0 I / (2\pi r) = 4\pi \times 10^{-7} \times 10 / (2\pi \times 0.050) = 4.0 \times 10^{-5}\) T。磁場中の導線に働く力は \(F = BIl = 4.0 \times 10^{-5} \times 10 \times 0.10 = 4.0 \times 10^{-5}\) N です。
「x 軸を横切る」と「x 軸上に戻る」は異なります。半周期 \(T/2\) では y-z 面の円運動が半周し、反対側の x 軸を通過しますが、これは x 軸を「横切る」のではなく「x 軸の反対側」です。本問では原点から出発して最初に x 軸上に戻るのは1周期後 \(T\) です。ただし、問題の図と座標の取り方により半周期が答えになる場合もあるので、問題文をよく読みましょう。
磁場に斜めに入射したらまず「平行成分」と「垂直成分」に分解!垂直成分 → 円運動(ローレンツ力)、平行成分 → 等速直線運動(力なし)。合成するとらせん運動です。ピッチ \(L = v_\parallel T\) も頻出。