教科書(物理) 類題12:電流が磁場から受ける力

(1) 電流の大きさ

直感的理解
導体棒PQの抵抗が \(R\)〔Ω〕で、起電力 \(E\)〔V〕の電源に直接つながっています。回路全体の抵抗は \(R\) だけなので、オームの法則で電流が決まります。

オームの法則より、回路に流れる電流は:

$$ I = \frac{E}{R} $$
答え
\(\displaystyle I = \frac{E}{R}\)〔A〕

(2) 磁束密度の大きさ

直感的理解
導体棒は重力で下に引かれ、磁場からの力で水平方向に押されます。2本の導線の張力がこの2つの力を支え、導線が鉛直線から 30° 傾いてつり合います。傾き角から力の比がわかり、磁束密度が求まります。

導体棒にはたらく3つの力のつり合いを考えます。

水平方向と鉛直方向に分解すると:

$$ T\sin\theta = BIl \quad \cdots (1) $$ $$ T\cos\theta = mg \quad \cdots (2) $$

(1)÷(2) より:

$$ \tan\theta = \frac{BIl}{mg} $$

\(\theta = 30°\) を代入して \(B\) について解くと:

$$ B = \frac{mg\tan 30°}{Il} = \frac{mg}{\sqrt{3}\,Il} $$

数値計算の確認:電流 10 A の直線導線から距離 5.0 cm の点の磁束密度は \(B = \mu_0 I / (2\pi r) = 4\pi \times 10^{-7} \times 10 / (2\pi \times 0.050) = 4.0 \times 10^{-5}\) T。磁場中の導線に働く力は \(F = BIl = 4.0 \times 10^{-5} \times 10 \times 0.10 = 4.0 \times 10^{-5}\) N です。

答え
\(\displaystyle B = \frac{mg\tan 30°}{Il} = \frac{mg}{\sqrt{3}\,Il}\)〔T〕
💡 別解:力の三角形で考える

3力がつり合っているとき、力のベクトル三角形を描くことができます。\(mg\) と \(BIl\) の合力が \(T\) とつり合うので、直角三角形の辺の比から同じ結果が得られます。

Point

導線でつり下げた導体棒の問題では、張力を2成分に分解して、水平・鉛直のつり合いを立てる。\(\tan\theta\) の式から未知量を求めるのが定石。