教科書(物理) 類題13:一様な磁場中の荷電粒子の運動

解法

直感的理解

磁場に垂直に入射した荷電粒子はローレンツ力を受けて等速円運動をします。ローレンツ力は常に速度に垂直なので仕事をせず、速さは変わりません。半円を描いて到達するので、かかる時間は周期の半分です。そして周期は速さに依存しないため、入射速度がいくらでも答えは同じです。

Step 1:ローレンツ力 = 向心力から半径を求める

$$qvB = \frac{mv^2}{r} \quad \Longrightarrow \quad r = \frac{mv}{qB}$$

Step 2:周期を求める

円周 \(2\pi r\) を速さ \(v\) で一周する時間:

$$T = \frac{2\pi r}{v} = \frac{2\pi}{v} \cdot \frac{mv}{qB} = \frac{2\pi m}{qB}$$

周期は速さ \(v\) に依存しないことに注目。

Step 3:半円を描く時間

半円は1周期の半分だから:

$$t = \frac{T}{2} = \frac{\pi m}{qB}$$

数値計算の確認:電流 10 A の直線導線から距離 5.0 cm の点の磁束密度は \(B = \mu_0 I / (2\pi r) = 4\pi \times 10^{-7} \times 10 / (2\pi \times 0.050) = 4.0 \times 10^{-5}\) T。磁場中の導線に働く力は \(F = BIl = 4.0 \times 10^{-5} \times 10 \times 0.10 = 4.0 \times 10^{-5}\) N です。

答え
点 P に達するまでの時間:\(t = \dfrac{\pi m}{qB}\)
補足:速さに依存しない理由

速さが大きいと半径 \(r\) も大きくなりますが、その分だけ円周も長くなります。周期 \(T = 2\pi r / v = 2\pi m/(qB)\) は \(v\) が分子・分母で打ち消されるため、速さに無関係です。これがサイクロトロンの動作原理の基礎です。

Point

半円を描く → 半周期 \(T/2 = \pi m/(qB)\) を使います。この値は入射速度 \(v\) に無関係です。速さが変わっても到達時間は同じ!