教科書(物理) 演習問題5:電気振動

解法

直感的理解

コンデンサーに蓄えた電荷が放電を始めると、コイルに電流が流れてエネルギーが磁気エネルギーに変わります。完全に放電すると電流が最大になり、今度は逆向きに充電が始まります。これが電気振動です。

Step 1:電気振動の周波数

LC 回路の固有振動数は:

$$ f = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} = \frac{1}{2\pi\sqrt{2.0 \times 10^{-3} \times 2.0 \times 10^{-7}}} $$ $$ = \frac{1}{2\pi \times 6.32 \times 10^{-4}} \fallingdotseq 252 \ \text{Hz} $$

Step 2:振動電流が最大になるまでの時間

コンデンサーが満充電の状態(\(t = 0\))から放電を開始し、電荷がゼロになったとき(= エネルギーがすべてコイルの磁気エネルギーに変換)電流が最大になります。これは 1/4 周期後です:

$$ t = \frac{T}{4} = \frac{1}{4f} = \frac{1}{4 \times 252} \fallingdotseq 9.9 \times 10^{-4} \ \text{s} $$

Step 3:最大電流

エネルギー保存の法則を使います。初めにコンデンサーに蓄えられた静電エネルギーがすべてコイルの磁気エネルギーに変換されたとき:

$$ \frac{1}{2}CV_0^2 = \frac{1}{2}LI_{\max}^2 $$ $$ I_{\max} = V_0 \sqrt{\frac{C}{L}} = 30 \times \sqrt{\frac{2.0 \times 10^{-7}}{2.0 \times 10^{-3}}} $$ $$ = 30 \times \sqrt{1.0 \times 10^{-4}} = 30 \times 0.01 = 0.30 \ \text{A} $$

また、導線の抵抗は無視できないので(等価直列抵抗)、実際の最大電流はこれより小さくなります。

数値計算の確認:磁束密度 0.50 T の磁場中を長さ 20 cm の導線が速さ 3.0 m/s で動くと、誘導起電力は \(\varepsilon = Blv = 0.50 \times 0.20 \times 3.0 = 0.30\) V。抵抗 6.0 Ω の回路に流れる電流は \(I = 0.30 / 6.0 = 0.050\) A です。

答え
(1) \(f \fallingdotseq 252\) Hz
(2) 電流最大までの時間 \(= T/4 \fallingdotseq 9.9 \times 10^{-4}\) s
(3) \(I_{\max} = 0.30\) A
補足:力学との対応

LC 回路の電気振動は、ばね振り子の単振動と完全に対応します。電荷 \(q\) ↔ 変位 \(x\)、電流 \(I\) ↔ 速度 \(v\)、\(C\) ↔ \(1/k\)(ばね定数の逆数)、\(L\) ↔ \(m\)(質量)。コンデンサーの静電エネルギー ↔ 弾性エネルギー、コイルの磁気エネルギー ↔ 運動エネルギーです。

Point

電気振動の3つの基本公式を押さえる:① 周波数 \(f = 1/(2\pi\sqrt{LC})\)、② 電流最大は \(T/4\) 後、③ エネルギー保存 \(\frac{1}{2}CV^2 = \frac{1}{2}LI^2\) で最大電流を求める。