教科書(物理) 問3:光電効果

解法

直感的理解

金属に光を当てると電子が飛び出す現象が光電効果です。振動数が限界値より低いと、どんなに強い光でも電子は飛び出しません。これは光が波なら説明できず、光子(粒子)として考える必要があります。

光電効果の3つの特徴(波動説で説明不可能):

  1. 振動数が限界振動数 \(\nu_0\) より小さい光では、強度を上げても電子は飛び出さない
  2. 振動数が \(\nu_0\) 以上なら、どんなに弱い光でもすぐに電子が飛び出す
  3. 光電子の最大運動エネルギーは光の振動数に比例し、強度に依存しない

Step 1:アインシュタインの光電効果の式

$$ K_0 = h\nu - W $$

\(K_0\):光電子の最大運動エネルギー、\(W = h\nu_0\):仕事関数

Step 2:限界振動数の計算例

仕事関数 \(W = 3.3 \times 10^{-19}\) J の金属の場合:

$$ \nu_0 = \frac{W}{h} = \frac{3.3 \times 10^{-19}}{6.63 \times 10^{-34}} = 5.0 \times 10^{14} \text{ Hz} $$

Step 3:光電子のエネルギーの計算例

\(\nu = 7.0 \times 10^{14}\) Hz の光を当てたとき:

$$ K_0 = 6.63 \times 10^{-34} \times 7.0 \times 10^{14} - 3.3 \times 10^{-19} = 4.64 \times 10^{-19} - 3.3 \times 10^{-19} = 1.3 \times 10^{-19} \text{ J} $$

数値計算の確認:プランク定数 \(h = 6.63 \times 10^{-34}\) J·s、振動数 \(5.0 \times 10^{14}\) Hz の光子のエネルギーは \(E = 6.63 \times 10^{-34} \times 5.0 \times 10^{14} = 3.3 \times 10^{-19}\) J = 2.1 eV。仕事関数 1.9 eV なら最大運動エネルギーは \(2.1 - 1.9 = 0.2\) eV です。

答え:
光電効果は光の粒子性を示す現象である。\(K_0 = h\nu - W\) でエネルギーの関係が記述される。
Point

波動説では①限界振動数の存在 ②光を強くしても \(K_0\) が変わらない ③瞬時に電子が出る、の3つが説明できません。光子仮説によってすべて説明できます。

📐 補足:波動説による予測との矛盾

波動説では光のエネルギーは強度(振幅の2乗)に比例するので:

  • 十分に強い光なら、どの振動数でも電子を出せるはず → 実際は \(\nu < \nu_0\) では不可能
  • 弱い光ではエネルギーの蓄積に時間がかかるはず → 実際は即座に放出される

蓄積時間の見積もり:強度 \(1\) W/m²、原子の断面積 \(\sim 10^{-20}\) m² とすると仕事関数 \(\sim 10^{-19}\) J の蓄積に \(10\) 秒程度かかる計算ですが、実測では \(10^{-9}\) 秒以内に放出されます。