コンプトン散乱は光子と静止電子の弾性衝突です。光子はエネルギーの一部を電子に渡し、波長が長くなります。散乱角が大きいほど波長変化も大きくなります。
コンプトン散乱の波長変化公式
$$ \lambda' - \lambda = \frac{h}{mc}(1 - \cos\phi) $$数値計算(φ = 90° の場合)
$$ \Delta\lambda = \frac{6.63 \times 10^{-34}}{9.11 \times 10^{-31} \times 3.0 \times 10^8}(1 - \cos 90°) $$ $$ = \frac{6.63 \times 10^{-34}}{2.73 \times 10^{-22}} \times 1 = 2.43 \times 10^{-12} \text{ m} = 2.43 \text{ pm} $$φ = 180°(後方散乱)の場合
$$ \Delta\lambda = \frac{h}{mc}(1 - \cos 180°) = \frac{h}{mc} \times 2 = 4.86 \text{ pm} $$数値計算の確認:プランク定数 \(h = 6.63 \times 10^{-34}\) J·s、振動数 \(5.0 \times 10^{14}\) Hz の光子のエネルギーは \(E = 6.63 \times 10^{-34} \times 5.0 \times 10^{14} = 3.3 \times 10^{-19}\) J = 2.1 eV。仕事関数 1.9 eV なら最大運動エネルギーは \(2.1 - 1.9 = 0.2\) eV です。
\(\lambda_C = h/(mc) = 2.43 \times 10^{-12}\) m は電子のコンプトン波長と呼ばれます。これは光子のエネルギーが電子の静止エネルギー \(mc^2\) に等しいときの波長に相当し、光子と電子の相互作用の「スケール」を表します。
コンプトン散乱の波長変化は散乱角 \(\phi\) にのみ依存し、入射光の波長には依存しません。φ = 0 で変化なし、φ = 180° で最大(2λ_C)です。