教科書(物理) 演習問題4:考えてみよう

解法

直感的理解

中性子は電荷をもたないため、原子核のクーロン障壁の影響を受けずに通過でき、水素原子核(陽子)との弾性衝突で最も効率よくエネルギーを失います。

Step 1:中性子の特徴

Step 2:弾性衝突のエネルギー移動

同じ質量の粒子との正面衝突では、エネルギーがほぼ完全に移動します(ビリヤードと同じ)。だから水を含む物質(水素を多く含む)が中性子の遮蔽に有効です。

$$^4_2 He + ^{14}_7 N \to ^{17}_8 O + ^1_1 H$$ $$Q = (m_{\text{前}} - m_{\text{後}})c^2$$ $$A_{\text{前}} = A_{\text{後}}, \quad Z_{\text{前}} = Z_{\text{後}}$$

数値例:水素原子のエネルギー準位は \(E_n = -13.6/n^2\) eV。\(n = 2\) から \(n = 1\) への遷移で放出される光子のエネルギーは \(\Delta E = -13.6 \times (1/1^2 - 1/2^2) = -13.6 \times 0.75 = 10.2\) eV です。

答え:
中性子は電荷をもたないためクーロン力の影響を受けず、原子核に容易に到達できる。同じ質量の陽子との衝突で最も効率よく減速される。
補足:ラザフォードの原子核変換

1919年、ラザフォードはα粒子を窒素に当てて酸素と水素に変換しました。これが人類初の原子核変換(核反応)です。

Point

原子炉の減速材に水が使われるのは、水素原子核(陽子)が中性子とほぼ同じ質量だからです。