エレベーターが下向きに加速して降りるとき、体がふわっと軽くなる感覚を経験したことがあるでしょう。下向きに加速する物体は、受ける垂直抗力が重力より小さくなります。この問題では、下向きに加速度 \(0.20\;\text{m/s}^2\) で運動する物体が受ける垂直抗力を運動方程式から求めます。
質量 \(m = 1.5\;\text{kg}\) の物体が鉛直下向きに加速度 \(a = 0.20\;\text{m/s}^2\) で運動するとき、垂直抗力 \(N\) を求めます。
Step 1:力の確認
Step 2:鉛直下向きを正として運動方程式を立てる
$$ ma = mg - N $$Step 3:\(N\) について解く
$$ N = mg - ma = m(g - a) $$Step 4:数値代入
$$ N = 1.5 \times (9.8 - 0.20) = 1.5 \times 9.6 = 14.4\;\text{N} $$垂直抗力は \(14.4\;\text{N}\) で、重力 \(14.7\;\text{N}\) よりわずかに小さくなります。この差 \(0.3\;\text{N}\) が下向きの加速を生む合力です。
数値計算:1.5 × 9.6 = 14.4
数値計算:1.5 × 9.6 = 14.4
加速度がわかっているとき、運動方程式から未知の力を逆算できます。「垂直抗力 = mg」は静止または等速運動のときだけ成り立つ関係であり、加速度があるときは \(N \neq mg\) です。エレベーター内で体重計に乗ると、加速・減速で値が変わるのはこの理由です。
もし物体が自由落下(\(a = g = 9.8\;\text{m/s}^2\))のとき:
$$ N = m(g - a) = m(g - g) = 0 $$垂直抗力が0になります!これが無重力状態(無重量状態)です。
ISSの宇宙飛行士が浮いて見えるのは、宇宙ステーションが地球の周りを「自由落下」しているからです。重力はしっかりはたらいていますが、\(a = g\) なので \(N = 0\) となり、浮いているように感じます。
$$ a = 0 \implies N = mg \quad \text{(静止・等速:通常の重さ)} $$ $$ a = g \implies N = 0 \quad \text{(自由落下:無重力状態)} $$