教科書(物理基礎) 例題12:2物体の運動方程式

解法

直感的理解
なめらかな水平面上で2つの物体が接触して一緒に動く場合、加速度は共通です。各物体に運動方程式を立てて連立すれば、加速度と物体間の力(内力)が求まります。2式を足すと内力が消え、「一体とみなす」ことと同じ結果になります。

解法

なめらかな水平面上に質量 \(m_A = 2.0\) kg のAと質量 \(m_B = 3.0\) kg のBを接触させ、Aを \(F = 8.0\) N の力で水平に押します。

Step 1:各物体の運動方程式

AがBを押す力を \(f\) とします。作用・反作用より、BはAを \(f\) で押し返します。

$$ A:m_A a = F - f \quad \Rightarrow \quad 2.0\,a = 8.0 - f \quad \cdots(1) $$ $$ B:m_B a = f \quad \Rightarrow \quad 3.0\,a = f \quad \cdots(2) $$

Step 2:連立して加速度を求める

(1) + (2) で内力 \(f\) が消えます:

$$ (2.0 + 3.0)\,a = 8.0 $$ $$ a = \frac{8.0}{5.0} = 1.6\;\text{m/s}^2 $$

Step 3:内力を求める

(2) に代入:

$$ f = 3.0 \times 1.6 = 4.8\;\text{N} $$
答え:\(a = 1.6\;\text{m/s}^2\)、AがBを押す力 \(f = 4.8\;\text{N}\)

数値計算:計算すると 8.0 を得る。

数値計算:計算すると 8.0 を得る。

Point

2式を足すと内力が消えて「一体とみなした運動方程式」\((m_A + m_B)a = F\) になります。先に加速度を求め、次にどちらか一方の式で内力を求めるのが定石です。

💡 「一体とみなす」方法との関係

2物体をまとめて1つの物体(質量 \(m_A + m_B = 5.0\) kg)とみなすと:

$$ (m_A + m_B)a = F \quad \Rightarrow \quad 5.0\,a = 8.0 \quad \Rightarrow \quad a = 1.6\;\text{m/s}^2 $$

これは各物体の運動方程式を足した式と同じです。ただし、内力 \(f\) を求めるには個別の式が必要です。

🔍 内力の大きさの意味

\(f = 4.8\) N は、外力 \(F = 8.0\) N のうち「Bを動かすために使われる分」に相当します。比率で考えると:

$$ \frac{f}{F} = \frac{m_B}{m_A + m_B} = \frac{3.0}{5.0} = 0.60 $$

つまり外力の 60% がBに伝わっています。Bが重いほどこの割合は大きくなります。