教科書(物理基礎) 例題14:2物体の運動方程式

解法

直感的理解
定滑車に軽い糸をかけ、一方に水平面上の物体 \(m\)、他方に鉛直に吊り下げたおもり \(M\) をつなぎます。おもり \(M\) の重力が全体を引っ張る駆動力です。例題13と同じ構造ですが、ここでは文字のまま一般解を求めるのがポイントです。

解法

なめらかな水平面上に質量 \(m\) の物体、定滑車を通して軽い糸の他端に質量 \(M\) のおもりをつなぎます。

Step 1:各物体の運動方程式

加速度 \(a\)、糸の張力 \(T\) とします。

$$ \text{物体 } m\text{(水平方向):}\quad ma = T \quad \cdots(1) $$ $$ \text{おもり } M\text{(鉛直下向き正):}\quad Ma = Mg - T \quad \cdots(2) $$

Step 2:連立して一般解を導出

(1) + (2) で \(T\) を消去:

$$ (m + M)\,a = Mg $$ $$ a = \frac{Mg}{m + M} $$

Step 3:張力を求める

(1) に代入:

$$ T = ma = \frac{mMg}{m + M} $$

検算(数値例: \(m = 2.0\) kg, \(M = 3.0\) kg):

$$ a = \frac{3.0 \times 9.8}{2.0 + 3.0} = \frac{29.4}{5.0} = 5.88 \fallingdotseq 5.9\;\text{m/s}^2 $$ $$ T = \frac{2.0 \times 3.0 \times 9.8}{5.0} = \frac{58.8}{5.0} = 11.76 \fallingdotseq 12\;\text{N} $$
答え:\(a = \dfrac{Mg}{m + M}\)、\(T = \dfrac{mMg}{m + M}\)

数値計算:3.0 × 9.8 = 29.4 物体

数値計算:3.0 × 9.8 = 29.4 物体

Point

一般解の検証として極限を考えましょう:\(m \to 0\) なら \(a \to g\)(おもりが自由落下)、\(m \to \infty\) なら \(a \to 0\)(動かない)。これらは物理的に正しいので、式が正確だと確認できます。

💡 「一体とみなす」方法との対応

全質量 \(m + M\) の系に加わる外力は \(Mg\)(おもりの重力)のみ。なので:

$$ (m + M)\,a = Mg \quad \Rightarrow \quad a = \frac{Mg}{m + M} $$

連立方程式を足した結果と完全一致します。ただし張力 \(T\) を知るには (1) または (2) が必要です。

📐 T の式の対称性と物理的意味

張力の式 \(T = \frac{mMg}{m+M}\) は \(m\) と \(M\) について対称的です(入れ替えても同じ形)。

これは「調和平均」に関連しています:

$$ T = g \cdot \frac{1}{\frac{1}{m} + \frac{1}{M}} $$

どちらか一方がゼロなら \(T = 0\)、両方とも非常に大きければ \(T\) も大きくなりますが、\(T < Mg\) かつ \(T < mg\) が常に成り立ちます。